PSP、SCE製ソフト不具合で連日のファームアップ

最近のデジタル家電では当たり前のように行われるファームアップPSPでも、ファームアップの度に様々な魅力的な機能が追加されてきました。そして先日、また大きなファームのバージョンアップがありました。

PS3との「リモートプレイ」を実現するPSPアップデータが公開

PS3PSPで離れてプレイするという、画期的なものですね。また、PS3でダウンロードしたゲームをPSPでプレイする機能も加わるという、非常に魅力的なものです。

ただ、このファームウェアに不具合があったらしく、その翌日の今日、早くも追加でバージョンアップが行われました。

SCE、PSPファームウェアを2日連続アップデート

不具合が生じたのは同日発売のLEVEL-5制作、SCE販売の「ジャンヌ・ダルク」。ソフト売り上げが厳しいことになっているPSPでは期待の新作SRPGです。このソフトも本日発売だったのですが、このファーム3.0を使うと以下のような不具合が生じるようです。

『JEANNE D’ARC』をPSP®本体のシステムソフトウェア バージョン 3.00でプレイした場合、プレイ中のUMDローディング時に時間がかかる、ローディングからプレイ画面に戻らないなどの症状が判明いたしました。
システムソフトウェア バージョン3.00における『ジャンヌ・ダルク』で発生する症状への対応について

上記症状を解消するために、即日ファームのバージョンアップが行われた形ですね。しかし、同時発売のソフトなのに、動作検証はしっかりと行われてなかったのでしょうか?3.0で加わる機能はどれもPSPUMDゲームには関係の無いものばかりではありましたが、だからといって同日発売のソフトで不具合、というのはいくら何でもUMDゲームを軽視しすぎなように思いますね。しかも、1日でデバグできるレベルのもののようですし。

過去にもあったファームアップによるソフト不具合

今回のような、ファームアップによってソフト動作に不具合を起こす現象は、以前にも引き起こしています。それは、以下の事項です。

7月28日に発売されたPSP用ソフト「ドラスロット 巨人の星2」だが、
PSPのシステムソフトウェアバージョン2.00以降のバージョンで
プレイした際に不具合が生じることが、発売元のドラスより発表された。

店頭在庫分は回収・交換となる予定。
また、既に購入済みのユーザーに対しても交換対応をするとのことなので、
「ドラスロット 巨人の星2」購入者は以下のユーザーサポートまで。
PSP用「ドラスロット 巨人の星2」の交換について|忍之閻魔帳

こちらも、2005/7/28にファーム2.00が公開されたのと同日発売のソフトで、動作不具合が生じてしまっています。で、このときの対応は今回とは違い、「ソフト店頭分回収、購入者へも交換対応」というものでした。

今回がファームのバージョンアップで対応できるのなら、前回もファームアップで対応できなかったのでしょうか?不具合の起因がファームなのか、PSPライブラリ違反なのかにもよるのかもしれませんが、ソフトの回収などにかかるコストに比べたら、ファームの方を過去のファームとの互換をとるようにした方がコストは低いように思いますし、実際今回のジャンヌ・ダルクについては後者の手法を取ったわけですし。

まさか、サードのソフトは交換対応、自社ソフトだけファームで対処とか、ひどい区別の仕方じゃないですよね?今回自社ソフトの不具合でファームアップによる対応を取ったのだから、当然今後ファームアップで他社ソフトが不具合が生じたのなら、同様にファームウェアの修正で対応するべきだと思いますね。


ファームアップは、無料で機能追加や動作改善などが発売後もしてもらえると言うことで、ユーザーにとって利益があるものなのですが、あまり頻繁にファームレベルで仕様変更が生じてしまうと、今回のようなソフトでの不具合とか互換性問題などが生じる可能性があります。Wiiファームアップでトラブルが起きているようですし、「とりあえず発売し、あとからファームで対応」といった投げやりな対応でなく、できる限り仕様を最初に充実させておき、十分な機能を持った状態で発売してファームアップの頻度を必要最低限にし、今回のような無用な不具合が生じないようにしてくれるようにしてほしいものです。