Wii体験会レポート(チャンネル編) 『写真チャンネル』


Wiiチャンネル中でも、とくにツールのイメージが強い写真チャンネルの紹介です。こちらもWiiチャンネルの公式紹介動画がありますね。
Wii.com JP - 写真チャンネル
ここでは、実際に操作した際に感じた際の操作性やレスポンスなどについて報告してみたいと思います。

待ち時間・体験形式

待ち時間はなし(14時30分時点)。ゲームでない分Wiiチャンネルは長時間並んでまでプレイしたい、という欲求は少ない感じです。体験方式としては、一応写真チャンネルを選択するところから開始して、ラクガキモードやスライドショーモードなどで楽しむことができました。動画についてはこの体験会では試遊はできませんでしたね。

写真一覧操作

最初に内部メモリかSDメモリのどちらから呼び出すかの2択があったのでSDカードを選択。すると、中に入っている複数画像の一覧を表示してくれます。この一覧表示部分がなかなか優秀で、まず高速に中の枚数を認識して写真のブロックを画面いっぱいに並べてしまいます。そのブロックに、順次SDカードから写真を読み出してサムネイルを作っていくのですが、この処理も非常に高速です。SDカードはそもそも転送速度自体がそれほど早くないのですが、その転送→展開の処理が高速に動いている、というところでしょうか。これはエンジンを提供しているテクノマセマティカルの能力が高いからなのかもしれませんが。
クノ マセマティカルのソフトウェアが任天堂の新型ゲーム機「Wii」に採用 - 株式会社 テクノマセマティカル:ニュース

しかも、このファイル読みだしは完全にバックグランドで動作しています。このため、Wiiでの操作は最初の瞬間的な写真数の認識後、自由に行うことができます。拡大、縮小、並び替えなどの操作をしている間に、どんどん写真を読み込む感じですね。読み込み済みの写真であれば、いつでもすぐに拡大表示することができます。一覧の拡大縮小では写真が渦巻くようなアニメーションをするのですが、その状態でも写真読み込みをやっている感じで、なかなか快適でした。

ラクガキ

試遊のメインはラクガキモードです。ここで使う写真は、一覧から自由に選択することができます。ラクガキモードではブラシでラクガキしたり、ハートなどあらかじめ用意されたスタンプで描画ができます。ブラシやスタンプの大きさはWiiリモコンの画面からの距離で決定されます。スタンプなどであれば、ひねりの動作も反映。
ブラシの大きさを距離で決める、という発想は面白いとは思いますが、操作性は微妙かな。せめてBボタンを押してリモコンを前後に動かしてブラシサイズを決定、Bボタンを放すとそのブラシサイズで固定される、とかいう仕様の方がよかったように思います。というのも、小さいブラシサイズで操作しようとすると、手をかなり引いた状態で操作しないといけません。下手すると歩いて自身の場所さえずらす必要も。こういったことが嫌ならば、大きめのブラシでも細かく操作できるよう、画像自体をズームアップして描画する必要があります。しかし、こうすると一度に見える領域が狭くなってしまいますからね。もうちょっとやりようがなかったかな、という印象です。

その他、ブラシ以外のツールがほとんど無いところも、フォトレタッチツールをPCでいろいろ使っていた自分としては気になるところです。微妙な感じでの描画などには、エアブラシツールが必須だと思うんですけどね。せっかくのアナログな入力が可能なWiiなんですから、そのあたりのツールも入れて欲しかったかな、という気もします。まあ、またどこかがより本格的なレタッチソフトを出すのかもしれませんが。なお、一応これらの編集結果を保存することも可能と言うことです。

あと、この描画操作は二人での操作ができるというのも面白かったですね。自分が試遊している横から、スタッフのお姉さんが別の色のポインタで同時に描画の例を示してくれました。これはPCでもなかなかできないところだけに新鮮な感じでしたね。この複数人での描画というところで、何かブレークスルーになるような遊びがあるとおもしろそうなんですけどね。

スライドショー

その他遊び要素としては、スライドショーやパズルがあります。スライドショーは、単に順に表示していくだけ。選択できる項目も、色合いをセピアにしたりする程度で、スライドショー方法をいろいろ選ぶ、という項目はありませんでした。これもちょっと残念なところ。PS3にはもうちょっとオプションがありましたからね。スライドショー自体は非常にスムーズな動きで、SDである影響も感じられませんでした。
あと、もう一点気になったのは各写真表示時に常にタイムスタンプが表示されること。当然オプションでオフにできるかと思いきや、スタッフのお姉さんと一緒に項目を調べたのですが、そういったオプションが見つからず。どうも、常にタイムスタンプが表示されるようです。
この仕様は、自分は結構困ってしまうものです。というのも、自分はたまにしかデジカメを使わないため、デジカメのタイムスタンプがいつも使うときは時計が初期値(1970年とか)になっています。面倒なので、これまでこれを全く修正せず、いい加減なタイムスタンプで撮影していたんですよね。これだと、過去に撮った写真をWiiで見ると、みな1970年とかいう数字が表示されてしまうことになります。デジカメ使うときは時刻をちゃんとあわせておけ、ということなのかもしれませんが、せめてファームアップのときでもいいので、タイムスタンプ非表示のオプションを用意してもらいたいところです。

パズル

もう一つ遊びの要素はパズル。これは分割数をいくつかのパターンから選択してプレイ開始。写真が分割数に合わせてバラバラになっており、これを正しい順番に並び替えるというものですが、よくあるパズルと違い、この写真チャンネルでのパズルでは、各パーツがポインティングによるドラッグ&ドロップで自由にどこの場所にも並び替えることができます。さらに、もう一つ「カンニング」機能(名前はちがったかも)があり、これを使うと完成図もいつでも見ることができるので、子どもなどでも気軽に楽しむことができそうです。

全体を通して

正直、使った感じはWindowsでいう「ペイント」に近い位置づけの機能に思えます。できることは、ペイントよりも少ないですね。基本的には写真を見て、ちょこっと加工したり文字を入れる、といった程度に使う感じでしょうか。ラクガキという名前通りという印象です。その他の遊び要素も、それほどリッチな感じはしませんので、ちょっとした遊び程度の使い方が中心になりそうです。それだけでも、Wiiのコンセプトからしたら十分「家族がさわりたくなる機能」としての役割は果たせている気はしますけどね。機能を大幅に追加したバージョンを500円ぐらいでショッピングチャンネルで販売とかしても面白い気もします。まあ、需要があれば、ですけど。