Wii体験会レポート (ソフト編) 『WiiSports:テニス』

Wii体験会で一番目立っていたWiiSportsのレビューです。先日紹介した、中京テレビの特集でも対戦されていましたね。

すでに多くの方がレビューしていると思いますが、自分なりの感覚で紹介してみたいと思います。

待ち時間・体験方式

待ち時間は約40分(11時時点)。相当な台数が用意されていたのですが、会場に入ってすぐのところに設置されていたこと、なんだかんだいってWii=テニスというイメージがこれまでの報道などでもできていたことが大きいと思います。

「Nintendo World 2006 Wii体験会」 - スクリーンショット - GAME Watch

体験プレイは、基本的に2人での対戦となります。家族連れや友人連れはそういった組みでプレイ、自分は一人で参加したので見知らぬ男性とプレイすることになりました。対戦開始前には説明のお姉さんに利き腕を聞かれ、それに併せてキャラクターを選択。Miiごとに設定が記録されている感じですかね。詳しくは見ていなかったのですが、他の方の報告などを見るとWiiSports全体で細かく利き腕が選択できたようです。

ゲームの形式は一人二役の変則ダブルス。前衛も後衛も自分でプレイする感じですね。前衛が空振りしても後衛がもう一度チャンスがある、というのが面白いところです。

リアルなプレイ感覚

実際にプレイした感じですが、本当にテニスをしている感じでしたね。自分自身、軟式テニス、硬式テニスを下手なりにやっていただけに、その感覚は特に感じられたように思います。

自分は、プレイの時には完全にテニスの打ち方をしていました。前足を一歩踏み出してスイングする形です。基本的には大きくスイング。一度本当に小さく身体の前でちょいっと振ってみたら、なんかボレーしたみたいなちょこんとした振りになってしまいました。少しの動作でも操作できるとはいえ、ある程度振っている操作はする必要があるんじゃないでしょうか。(ただ、ちょっとムキになって大振りしたため、終わった後少し肩が痛かったですけどね。実際の打った際の抵抗がほとんどない分、振り切り過ぎてしまうこともあります。実際のプレイと同様、何事も加減が必要かと。)

球の打ち分けも、結構できます。思いっきり引っ張ってクロス、ためてストレート、トップスピンやロブも比較的思い通りできました。実況版ではスライスがうまくできなかったと書きましたが、そもそもリアルのテニスでも自分はスライスがまともに打てないので、あまり参考にならないかもしれませんw。

「下手でもうまくなった気になれる」難易度

難易度的には、基本的には簡単な部類に入ると思います。ただ、これは「実際のテニス」と比べた場合です。実際のテニスだと、力んでしまってホームラン、脚が遅くて追いつかず空振り、ラケットのフレームで打ってしまう、といったしょうもないミスが下手なだけに結構出てしまうものですが、このゲームではそういった凡ミスはあまり起こりません。ネットにかかる現象が何度かあったぐらいです。なんだか自分がテニスがうまくなったような錯覚が起こり、非常に楽しかったです。
自動的に移動することについて否定的な意見もありますが、足が遅くて追いつかない、という現象を回避できる点で、これはこれでありだと思っています。打つ方がリアルな分、ヌンチャクとかで移動させられても不自然な気もしますしね。

こうした、「下手でもうまくなった気でプレイできる」というのは、運動神経が悪くてスポーツがあまり楽しめなかった人、また単純にまだまだ幼くて大人とプレイしても勝負にならない人でも、うまい人といい勝負ができる、という意味で意義があると思います。小学生と親がテニスしたとしたら、どうしても大人はコースを選んであげて、力も緩めて打たないと勝負にならないでしょう。それが、このWiiテニスであればある程度大人も本気で子どもと対戦できるわけです。この辺は、実際のリアルなテニスすら越えた楽しみがあるようにも思いますね。

テニスの経験が影響する部分

ただ、そうはいっても「テニスをやったことがあるかどうか」ぐらいは影響しているように思います。というのも、自分が対戦した男性はあんまりテニスをやったことが無い感じで、スイングも全くテニスとは異なり、タイミングもうまくつかめていませんでした。待ち時間に他の人を見ていても感じましたが、テニスになれていない人だと、ボールを引きつけて打つ、という感覚がつかめていないように思いました。そのため、どうしても打つタイミングにばらつきがあり、ラリーしていると負けてしまう、という感じですね。結局、対戦プレイは自分のほぼストレート勝ち状態。そのままだと制限時間内に終わってしまいそうだったので、最後はわざと手を抜いてミスしたり、極端にタイミングを遅らせるとどうなるかとか試しプレイしていました。

他にも、自分の前に対戦していた親子などは、子どもはどうしても早く振りすぎてアウトや空振りを出すのに対して、父親はほぼ確実にリターンしていました。結局父親が1ポイント奪われただけで制限時間にならないうちに圧勝。容赦ねぇと思いましたねw。でも、通常のTVゲームのプレイだと、子どもにポケモンのうんちくをたれられながら振り回されているんじゃないかと想像すると、「テニスが分かっている人の方がうまい」というこのWiiテニスは斬新なものがあるな、と感じました。

身体能力の差を除いたスポーツ対決の実現

以上、二つの矛盾することを言っているようですが、要するに「通常の腕の差−(体力的な差+精度)」で対戦するテニス、と考えてよいかと思います。WiiPreviewで宮本茂氏と杉山愛選手が対戦し、接戦の末宮本氏が勝ったのも、こうした要素があるからではないでしょうか?通常のテニスであれば、まず杉山選手の球速などにはついて行けないのに、Wiiテニスなら対等に戦っている気持ちになれる、そうした体験ができるのも面白いところかと思います。(逆を言えば、テニスが非常にうまい人が、リアルでは絶対負けないような相手に負けるとむかつくのかもしれませんがねw。)

これまでのTVゲーム、それこそみんなのテニスなどでも体力差を抜いた対戦はできましたが、それはあくまで「テニスゲーム」という感じで、リアルなテニスとはやはり違うものという印象はありました。素早い移動、ボタンの使い分けなども必要になりますしね。それに対して、このWiiSportsのテニスは非常にリアルなテニス感で、体力差や運動能力の差を軽減した形で、バーチャルな対戦ができるわけです。老若男女、体力を問わず対等な感じで対戦できるスポーツというのは、まさに次世代エンターテイメント、革新的なことだと言えるのでは無いでしょうか。とにかく、Wii体験会では必ずプレイすべきゲームだと思いますね。