小売り予想では圧勝なWii

東京ゲームショーでの値下げ発表から注目を集めているように見えるPS3。しかし、小売りへのアンケートでは非常に意外な結果が出ているようです。
次世代ゲーム機、ショップ関係者はPS3に興味なし?|忍之閻魔帳
ファミ通エンターブレインが、ショップ関係者にとった、以下のようなアンケート結果が転載されてます。

「どの次世代機が最も売れると思うか(Xbox360PS3Wii)」

Wii :88%
PS3 :11%

「今年末、最も期待出来るハードは」

DS :60.7%
Wii :32.8%
PS2 : 3.3%
Xbox360 : 1.6%
PS3 : 1.6%

次世代機ではWii圧勝、年末商戦はDS圧勝という予測です。まさに、現状他のハードの5〜7倍近く常に売れ続け、ソフトも売れまくっているDSの好調が反映された結果になっていますね。さすがに、利益という形での生の魅力は偉大と言うことでしょう。


今回のアンケート結果に沿うような意見は、ゲームショップ関係からも聞こえてきます。

さて、ゲームショウPS3の値下げの発表がありました。この件に関して、お客様の反応は意外にシビアです。話を聞くと、ソフトを足すと5万5000円を越えることもあり、ゲーム機しては依然として高いと感じているようです。また情報自体がダイエーのお客さんには届いていないように思えます。
ゲーム店長の佐藤さん:好調「みんテニ」 PS3値下げもシビアな反応 (まんたんウェブ)

まあ、この人は前に「我々の間では「クリスマス商戦にPSPは来る」という意見で一致しています。」と言った発言など、PSPびいきのあり得ない発言ばかりしているので、かなり信憑性は薄いのですが、一応挙げておきます。普段PSPびいきだった分、こういったネガティブ意見が出てくるのも珍しいと言えますし。

○「現状の主戦力」の影響が大きい小売りの反応

ただ、こうした小売りへのアンケートでは、実際に各々がなにで現状稼いでいるか、が非常に反映されがちです。DSとPSPの時もそうで、当時はまだPS2がゲームショップの中心だっただけに、小売りの期待はPSPの方が高かった印象があります。一方、同じエンターブレインのアンケートで消費者の回答は、そのときすでにDSが多かったと記憶しています。要するに、だいたいいつも、消費者の意識の変化に対しては、小売りは1テンポ遅れる感じなんですよね。
もちろん、今回の小売りの期待度と、消費者の意識が重なることもあると思います。ただ、次世代アンケートでWiiが9割なのに対して、年末の期待でDS+Wiiが9割というのを見ると、やはり安易にDSの売り上げから予測したイメージはぬぐえません。実際DSが圧勝なのはたしかだとは思いますが、据置の中で本当にここまでWiiが圧勝できるかどうかは、まだ分からないところがあります。単純にこれが消費者の意識だと早合点するのはまずいでしょう。

○小売り意識の「売り方」への影響

もっとも、忍さんが指摘されているとおり、初回出荷10万台とかのふざけた状態を解消しないことには話にならない可能性があります。あと、小売りの声がバカにできないのは、受注量と売り場面積の関係です。つまり、小売りに受けがいいと言うだけで、それだけ販売面でも有利な展開になるんですよね。売り場面積や場所も目立つところに設置されるでしょうから、Wiiからしてみたらお金をかけず宣伝できるようなものですね。実際、桃太郎王国というゲームショップでも、下記のようなコメントがされています。

年末はDSを中心にWii発売予定の任天堂が毎週トップを飾ることが予想されます。
売り場の中心は、とにかく任天堂を中心におくスタンスを桃太郎王国および桃太郎全店では予定しております。
ぐんそうブログ:東京ゲームショウの総括


一方、PS3の場合、すでに一部テンポではデモ機が展示されたりしているようですが(【フォトリポート】川崎にビックカメラがオープンするぞ! / デジタルARENA)、それに対して以下のようなコメントを出しているゲームショップ関係者もいます。

PS3試遊台の案内が来ました。
ちょっとやる気無くなります。
PS3本体は試遊台専用でHDDが160GBくらい付いてる&ちょっと仕様が違う?らしいのですが、
この本体はレンタルじゃないと店に置けないらしいです(´・ω・`)
什器と合わせると諭吉さんが2枚近く毎月かかるとか・・・。
什器を買ってもPS3の本体のレンタル代が毎月諭吉さん1枚くらい必要とか・・・。
取ったとしても発売前に店頭に来るのは大手量販店さんだけとか・・・。
置くリスクが結構高いんではないでしょうか、これ(´・ω・`)
(’A`):9/27

HD映像の美しさをアピールするために、上のフォトレポートにあったようなTGSレベルのデモ機を用意しているようなのですが、そのレンタル費用も結構なものらしいです。大型HDTVこみだとすると、どうしてもコスト的には莫大になりますからね。だからレンタルかつ有料というのも分からなくはないのですが、ただでさえゲーム小売りに厳しい昨今、そもそも宣伝にも金のかかるPS3自体を様子見する、という店も出てきそうな感じです。そうなると、結局量販店などを訪れた客ぐらいにしか訴求力がなく、地元ゲームショップにちょくちょく足を運ぶゲーマーに対するアピールがかけてくることもありますからね。

PS3の発売まであと6週間、Wiiの発売まで9週間という状態でのこの小売りの反応。果たして年末の売り方にどのように反映されてくるのか興味深いところです。