PS3 税込み49,980円に値下げ、HDMIも搭載

いよいよ始まった東京ゲームショー。注目は基調講演での久夛良木氏の発表内容でした。講演自体の詳しい内容がまだよく分かっていないので、そちらは後ほど語るとして、とりあえず期待されていた値下げについて。さすがにE3以来の逆風は応えたらしく、値下げの発表をしてきました。
PlayStation.com(Japan) | お知らせ | PLAYSTATION®3 HDD 20GB HDMIを標準搭載 日本国内希望小売価格 49,980円(税込)
価格は廉価版の方が49980円。珍しく税込み表示で、ちょっと改善の傾向が見て取れます。あと、廉価版にもHDMIをつけるとのこと。BD普及のためにPS3に載せたのに、HDMIをつけないのでは明らかに片手オチでしたから、これも妥当な判断でしょうね。60GB版はもともとオープンプライスでしたが、当初想定よりは実売を1万円ほど下げるようです。
ソニー:PS3廉価機種の小売価格引き下げ−企業:MSN毎日インタラクティブ
あとは海外ではどうするのか。アメリカではE3発表で、廉価版が499ドル、フル版が599ドル。各々50ドル下げるぐらいで落ち着くのかな?

とりあえず、PS3を買おうと思っている人には朗報でしょう。13000円近く安くなるわけですから。税込みでも5万を切った、というのも心理的圧迫感の低下はだいぶ下がるでしょう。前みたいに、税抜きで5万円台を維持していても、世の中的には税込み表記しか出てこないので、アピールになっていませんでしたからね。過去のオオカミ少年の影響で、impresssや電撃のニュースでは、当初勝手に税抜きと思いこんで「税込52,479円」と報道していたぐらいですから。まあ、日頃のSCEの行動がそうした誤解を起こさせてしまうのでしょうけど。
「PS3は低価格版にもHDMI付きます」。SCE久夛良木社長


そもそも、こんな重要な発表を、基調講演中でせずに質疑応答、トークセッション中に行われたことも気になるところです。
プレイステーション3の下位機種が値下げ! - ニュースエクスプレスブログ
もしかして、こんな重要な発表を、スライドも何もない状態で発表してしまったのでしょうか?そうでもなければ、impressとかもそう簡単に間違えたりはしないと思うんですけどね。プレスリリースが出ているので、事前から決まっていたことはたしかですが、口頭のみの発表というのはちょっと不思議に感じます。

ファミ通の記事には久夛良木氏のコメントが一部出ています。

「もちろんこれまでの価格でも、ぜんぜん問題ないという人もいます。けど、税込で6万円を超えると、高いと感じる方もいる。そうなると僕の夢が実現できない(笑)」
「我々が思っているよりもHDMI対応テレビの普及が早い。本当は箱を開けてみたらHDMI端子がついていたというサプライズをしたかったんですけど」
プレイステーション3の20ギガバイト、49980円[税込]に価格変更! HDMI端子も標準搭載 / ファミ通.com

なんか、すごい負け惜しみっぽく聞こえるのは、気のせいでしょうか?値下げについても、嫌々行ったという感じが伝わってきますし、HDMIについても、BD搭載なのに最初からつけていなかったことの方がおかしかっただけなのに、「箱を開けたらついてた」とかなんかよく分からない発言なんですけど。


個人的には、さんざんあれだけPS3が高いことを主張し、6万円でも赤字だというような報道があっただけに、値下げについては半信半疑でした。ただ、6万円ではいくら何でも負けるのは確定的なので、1万円の値下げ、というのは予測していたレベルではあります。税込みで5万円切って来たのはちょっと意外でしたが。あとは、周辺機器の価格や、PS2互換用のアダプタなどの値段、ソフトの値段などですね。これらも分かれば、本格的に次世代機で価格の比較ができるのですが。もっとも、この値下げは株主とかから見ると結構複雑っぽいですね。ただでさえPS3は初年度赤字確定なのに、さらに赤字幅を増やす方に振ったわけですから。これで爆発的ヒットしなかったら体力的に耐えきれるのか、というのは心配されているようです。


最終的には、消費者がどう感じるか、ですね。とりあえず、PS3の致命的な要素、価格については対策してきました。しかし、それでも本体だけで5万。これを消費者がどう見るか。結局、5万円という価格でも絶対値としては高いことには代わりがないので、やはりPS3ならではのサービス、BDの魅力などを伝えていくことが非常に重要となるでしょう。
PS1が出たときは、SSも5万近く44,800円でしたし、SFCと比べて2D→3Dというパラダイムシフトがありました。PS2の4万以上の価格も、当時すでに勝者が確定していたこと、DVDがマトリクスなどで非常に興味を集めていたことがありました。しかし、今回はSD→HDという変化はあるにしても、すでにPCでは何年も前から先行していたことで革新的というほどではありません。また、同様のHD画質はライバルのXbox360が3万円台で実現しており、PS1の時とも状況は違います。さらにライト層に注目されているWiiもあります。13000円値下げしても、結局はこういった前から指摘されていたマイナス要因は特に変化がないわけですよね。価格だけでない、もっと消費者がわくわくするようなサプライズを今後用意して欲しいところです。