金銭感覚が一般目線からずれてしまった久夛良木氏

高すぎるPS3といい、昨日のGT HDの課金体制と言い、あり得ない価格のPlayStation Signatureといい、とにかくどれも一般的ゲーマーから見ると「なんだそりゃ」とあきれるような価格設定が続いているPS陣営。その筆頭である久夛良木氏が、またまた珍発言をした模様。

FujiSankei Business i. 産業/Wii/PS3 家庭用ゲーム機“冬の陣” 業界の方向性を左右(2006/9/21)
Wii/PS3 家庭用ゲーム機“冬の陣” 業界の方向性を左右 - CNET Japan

ITマスコミ界の東スポみたいなCNETですが、今回の記事はFujiSankeiBusiness提供の記事のようです。FujiSankeiのページの方が写真付きでいいですね。東京ゲームショーを直前にした記事という位置づけの割に、東京ゲームショーに出展しない任天堂PS3の対立、先日華々しく発表会をしたXbox360はスルーというのはどうだろうと思うのですが、まあそれはひとまず置いておいて。

問題となる久夛良木氏の発言は、以下のところです。

ただ、「『Wii』とはまったく違う性質の商品」と、「ファミ通」を刊行するエンターブレイン浜村弘一社長は話す。PS3の購入層は、売れ行き好調な大画面の薄型テレビを手に入れ、高品質の映像世界を楽しむような人たち。SCEIの久多良木健社長も「量販店で薄型テレビを買えば、その時に付くポイントで『PS3』を買える」ともくろむ。

すげー、社長自らポイントで買えば発言。2chとかでは高すぎるPS3を無理矢理安く見せるために、ネタっぽい書き込みでPS3だけあり得ないポイント値引きを使って実質3万!とかいう書き込みが一時期されていましたが、真面目にそのレベルの発言を久夛良木氏自らが行うとは思いませんでした。しかも、久夛良木の発言からすると、ポイントでPS3がタダで買えるようなニュアンス。PS3は廉価版でも62790円しますから、ヨドバシ通常の10%還元なら627,900円以上、ポイントが多めについて20%だとしても318950円以上のものを買わないとポイントだけでは購入できないわけです。ヨドバシで探すとざっと以下のような感じ。

正直、ポイント10%で60万を越えるようなテレビ、今時ほとんどなかったです。BRAVIAでも探しましたが、46型の55万の次は、いきなり52型で80万円に跳ね上がってしまっています。パナのプラズマ58型でやっと相当する価格が見つかった形ですね。ようするに、50型オーバーのフラグシップレベルの価格な訳です。ポイント20%の方は、発売が1年前といういわゆる型オチ品。それでも、40型以上ですね。久夛良木氏は、こういうものがガンガン売れることを見込んで発言しているということでしょうか?

ちなみに、最近の液晶テレビの売れ筋はカカクコムで見る限りでは、14万〜24万ぐらいの32〜40V型のもののようです。
液晶テレビ 【価格.com】
こうしてみると、久夛良木氏が想定しているであろう60万以上、というのが以下に売れ筋より上に行っているのかが分かります。もちろん、フルHDの画質の差が本当に出てくるの40型以上からでしょうし、ソニー的にも高い製品が売れた方がいいという感覚はあるかも知れませんが、PS3を買いたいと思うような人は、果たして50V型以上のテレビを買うような人ばかりだと思ってるんですか?そして、60万円もテレビに注ぎ込むような人が、あんなラウンドフォルムでおもちゃっぽいPS3にポイントを注ぎ込んで購入するとでも思っているんでしょうか?どうにも、久夛良木氏は自分が相手にしている客層を見誤っている感じがします。自身がお金持ちになったせいなのか、元々そんなだったのかは分かりませんが、少なくとも客商売なんですから、自分自身の価値観だけで物事を語るのはどうにかした方がいいんじゃないですかね?

昨日のGT HDでもそうでしたが、SCE全体に欠けているのは、「客の視線から物事を見ること」と、もう一つ「自分たちの客層を見極めること」ではないでしょうか?いつまでもこんな発言をしていては、高くても買ってくれるはずのゲーマー層にまで見放されてしまうと思うんですけど。