相変わらず微妙なC-NEWSのアンケート

つい先日、間違いだらけのいい加減な設問で取ったアンケート結果を公表したC-NEWSですが(参考:全く改善が見られないC-NEWSのアンケート)、1週間も立たないうちに、また新たなゲーム関連のアンケート結果を公開してきました。

ゲームの利用と購入:今後購入する予定があるゲーム機は、「プレイステーション3」「ニンテンドーDS Lite」 - C-NEWS

またも見出しにはPS3とDS。なかなか分かりやすいですねぇ。抜粋記事では、複数の設問のうち、「現在持っている、家庭用ゲーム機」、「今後、購入する予定のある家庭用ゲーム機」について触れています。持っているのは据置は「プレイステーション」系が多く、携帯型は「ゲームボーイ」「ニンテンドーDS」系と、一見当たり前のデータ。ただ、このコメントには実は裏があって、詳しくは後述の設問チェックのところで触れたいと思います。

「今後購入予定」の方は、PS3が2割、DSが1割半だということ。先日のインタビューでは「欲しいかどうか」と聞いてPS3は42%、DSは37%だったわけですから、大体半減しているという感じですか。そうなると、Wiiは前が12%だったので、6%前後ということでしょうか?でも、それだと全体的に数字が小さすぎますね。こういう設問こそ「どれもいらない」を選んだ人の比率を教えて欲しいところです。

さて、とりあえず記事の方だけ信用してコメントしたわけですが、以降、毎度おなじみの設問チェックに移ってみたいと思います。

○リスト内容に偏りがある「所有ゲーム機」の設問

以下が、今回のアンケートの設問内容となります。
アンケート:ゲームに関するアンケート

ここで自分が注目したのは、抜粋記事でも取り上げている、「【Q1】現在あなたが持っている、家庭用ゲーム機をお選びください。 (複数回答可)」という質問です。ここで名前を挙げているゲーム機の偏りが、どうにも気になります。

まず、一番気になるのは「現世代、旧世代をごちゃまぜにしていること」。それだけならまだ分からないでもないのですが、「旧世代で名前を挙げているものと挙げていないものが偏っていること」が非常に気になりました。

特に「初代プレイステーション」の項目が入っているのに、同世代のセガサターンNintendo64が入っていないのがおかしい。たしかに、その世代の勝者はPS1だとは思いますが、どちらにしろPS1自体、現状ではほとんど稼働していないゲーム機。ほとんどのユーザがPS2に移行してしまっているでしょう。そう考えると、記事で言っていた「プレイステーション系」というのは、いわば二重カウントの状態になってしまっているわけです。

実際、記事の方に書かれている数字だと、以下の通りとなっています。

プレイステーション2 …5割半ば
プレイステーション初代 …3割半ば
ゲームボーイアドバンス …2割強
ゲームボーイ …2割強

上記の通り、先に『据置は「プレイステーション系」が多い』と言ったコメントには、PS1も大きく占めているわけです。他のPS1の世代が入っていないのに、なんかアンバランスな感じがしますよね。
また、『携帯型は「ゲームボーイ」や「ニンテンドーDS」のシェアが高い』と言っているくせに、ここではなぜか、ニンテンドーDSの数字が書かれていません。ゲームボーイよりも持っている人が少ないと言うことなんでしょうか?それとも、意図的に数字をはずしている?まあもっとも、トータルの普及台数的にはゲームボーイが上なのは確かかもしれませんが。


「リストに上がっていないものは、その他に含まれるのでは?」という指摘があるかもしれませんが、そもそも現状稼働していないゲーム機の場合、リストに提示してなければ「その他」にすらチェックしない可能性も高いです。逆に、リストに載っていれば、「ああ、そういえば持っていたかも。」と思い出してチェックすることができるわけですので。

ぶっちゃけ、現役世代以外もカウントするのであれば、全ての機種を載せるべきです。それこそ、ファミコンスーパーファミコンも。そうしたら、おそらく据置機で持っているものが多いのは「ファミコン」系となってしまうのではないでしょうか?捨てずに倉庫に眠っている家庭も多いでしょうし。
スーパーファミコンは古い」というのなら、「じゃあなんでリスト内にゲームボーイが入っているの?」って話にもなるわけです。ワンダースワンネオジオポケットまで挙げておいて、セガサターンNintendo64ファミコンスーパーファミコンをはずす理由がよく分かりません。それでいて、PSXなんていうマイナーなのも入っているわけですから変な話です。

全部挙げるのが大変であるとか、未だにスーファミが強いとか妙な結果にしたくないのであれば、素直に現世代機だけをリストに挙げて比較させればよかっただけのこと。設問作成者の主観で『現在も持っている人がいそうな機種』ということで中途半端に選別を行い、バイアスをかけた状態でアンケートを採ったのでは、なんのための新旧まぜたアンケートなのか訳が分からなくなります。それでありながら、抜粋記事で堂々と『据え置き型はプレイステーション系』と言っちゃうところが、なんだかなぁと言う感じ。本当は、それが言いたかっただけじゃないのかと、邪推したくもなります。

○ゲームをやらなくなった理由については説得力あり

もっとも、今回特におかしいと思ったのは主に上記のところだけで、それ以外の、主題であるゲームプレイ時間の変化などに関する部分はそれなりに興味深いです。特に、ゲームプレイ時間が減った人が6割強、ゲームをプレイしなくなった理由が仕事や勉強、育児などでゲームをする時間がなくなったから』というのが5割以上と圧倒的なのは、説得力のある結果だとは思います。特に、昨今のPS2市場の現象は、この理由が非常に大きいかと。つまり、PS1で獲得したユーザの年齢推移に合わせて、そのままゲームの内容を中高生向けにシフトしていった訳ですが、ある段階でメインユーザがみな就職や結婚で離れていった訳ですね。一度釣った魚でばかり商売をしようとして客層を広げようとしなかったから、こうした客の年齢の変化に伴う環境変化について行けなかったわけです。まあ、うまくいっているうちは気づきにくいのも確かでしょうけど。


以上、C-NEWSの今月2回目のゲーム関連アンケートを分析してきたわけですが、9月に入り、東京ゲームショーも控えているだけに、こうした情報戦略が熱くなってきています。任天堂も独自にインタビュー形式で日々情報公開とかしてますしね。お互い、年末にかけてもっと過激な広報合戦が繰り広げられることでしょう。消費者としては、そうした盛り上がりにwktkしながらも、安易に双方の身勝手な言い分に載せられないよう、冷静に構えて状況を見極めていきたいものです。