個々の目標をクリアにして開発されたWii ~ Wiiインタビュー第3回

公式Wiiインタビュー第3回は、Wiiハード編の最後となりました。最後は、個別に話されていた4人の開発者を混ぜて会話する形になっていますね。

第3回のインタビューでは、Wiiハードの個々の要素を、それぞれクリアな目標に基づいて開発されているということが語られていますね。ざっと要約すると以下のような感じでしょうか?

  • 「24時間眠らないマシン」
    • 待機動作時のファンレス動作
    • 上記を実現するための低消費電力化
  • 「DVDケース2,3枚分」
    • 限られたスペースにパーツを詰め込む努力
    • スタンドによる個性の主張
  • 「家庭のみんなが関係する機械になってほしい」
    • 使い勝手を考えたスロットインドライブ
    • 質感の高い外観
  • 「価格をおさえなくてはならない」
    • 「豪華な方向にはいかない」という考えに基づく開発
    • 従来より余分にコストの発生する分(スタンド、ドライブ、質感など)をフォローする、コストを抑えた内部設計

明確な目標と言うことで、もっとどーんとした目標となる言葉があるか、と思いましたが、どちらかというと、個々の部分に対する目標にぶれがない、という印象ですね。言ってしまえば、岩田社長の考える理想的な形、というものが、個々の目標にブレイクダウンされ、それに基づいて開発されたという印象です。どこぞのもののように、社内の利害関係などに応じてとにかく技術をよせあつめてふくれあがっただけ、といった印象はうけませんね。トップが明確な意志を持ち、それにぶれがないというのは、社員からしてみれば結構厳しい現場ではあるとは思いますが、やっていって着実に目標に向かっていく手応えなどは感じられるでしょうね。もっとも、目標自体が二律背反するものだったり、要求が厳しいモノも多かったので、かなり最初は途方に暮れたのは事実っぽいですがw。しかし、日本ではとかく各部署がバラバラに行動してしまい、まとめ上げるのが苦手だとか、トップダウンでの開発がうまく言っていないと指摘されることが多い分、このように明確なビジョンで開発できるのはすばらしいと思いますね。(もっとも、任天堂側のインタビューなので、実情は相当ドロドロしたものがあったとは想像しますが。)


最後は、各開発者達の締めの言葉で結ばれていますが、その中でさらっと竹田氏が気になるコメントもしてます。

竹田
『 Wiiというのは、売ったあとでも
 任天堂が本体O.S.の更新の形で関与していくことのできる
 はじめてのマシンなんですね。
 そういう意味では、これからまたおもしろさや楽しみが
 いろんな方向にどんどん広がっていくマシンだともいえます。』

この、OS更新というのは気になるキーワードですね。これまでの任天堂ゲーム機ではそういったものがなかったですし。PSPではファームウェア更新というものがありましたが、それと近い形になるのでしょうか。WiiのOSとしては、とくにバーチャルコンソール関連の情報が未だほとんど出てきてません。Wii本体で重要となるところと言うと、VCやOpera関連だと思いますので、そのあたりが一体どういう仕様になっているか気になるところですね。
明日からは、いよいよWiiの最大のキモであるWiiリモコン編が始まります。今度はどんな人が登場して、どんな話が聞けるのか。おそらく、9/14のWii説明会までは、とくにE3以上の新規のネタはないとは思われますし、Wiiリモコンの場合雑誌のインタビューでも多数語られていますので、さほど目新しい内容はないと思われます。自分が以前にEGMに掲載されたインタビューを和訳したものでも、結構秘話を語っていますので(参考:岩田氏・宮本氏の語る Wii開発秘話 by EGM)。とはいえ、WiiのPR活動の一環として出てくる記事の訳ですから、読み応えのあるインタビュー記事を期待したいところです。
おそらく、9/11,12,13とWiiリモコンのインタビューが掲載され、9/14のWii説明会で発売日や価格・ロンチソフトなどの発表が行われた後、それら新要素についてのインタビューが掲載されるのでは、と予想します。もっとも、これらは説明会から若干日にちを置く可能性も考えられますが。ともかく、動き始めたWiiの広報戦略を楽しみにしたいと思います。