キャメロット 任天堂プラットホームから撤退

ニンテンドーDSの1000万台達成、Wiiも前評判上々と調子のいい任天堂ですが、思わぬところでバッドニュース。
みんなのゴルフ初代の開発元であり、マリオゴルフマリオテニスなど任天堂陣営で看板スポーツタイトルを担当していたキャメロットが、任天堂プラットホームから撤退し、オンラインゲームでの開発に主軸を移すと発表した模様です。
キャメロット、オンラインサービスに注力、任天堂からは撤退 - Nintendo iNSIDE
開発するゲームは、『ゴルフだいすき! 〜 I LOVE GOLF! 〜』というタイトルで、ソフトバンクグループのELEVEN-UPという会社運営のサービスの一つとして提供する模様。ソフトバンクグループの雑誌ゲーマガのブログでいち早く情報が公開されているところを見ても、ソフトバンクが本腰入れて提供しているのが分かります。
ゲーマガblog: ゲームのロビー=ポータル

感じとしては、ソフトバンクキャメロットを引き抜いたような形になるわけですかね。任天堂にとって、敵は他の据置ゲームメーカーだけでないと言うことでしょう。任天堂自体、ニンテンドーDSで携帯電話ゲーム市場やオンラインゲーム市場に対抗する動きを見せていただけに、その逆でそれらから攻撃を受けることもあったということで、なるほどな、と思わされます。実際、HORIとも連携してバイブレーション機能付きマウスを発売し、ゲームに応じて様々な振動する、という流れなどはWiiへの対抗意識のようなものも感じられますし。
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たしかに、マリオテニスGBA以降、キャメロットからこれと言ったタイトルの発表はありませんでした。Wiiでも、初のゴルフタイトルはパンヤだったりと、今思えばキャメロットの名前が出てこないことの方が不思議でしたよね。DSでも、マリオバスケではスクエニが提供したりしていたことを見ても、キャメロット任天堂陣営から離れたのはだいぶ前に決まっていた印象もあります。任天堂としては、SCEみんなのゴルフなどに対抗する貴重な柱だっただけに、この穴埋めは結構苦労しそうですね。


しかし、キャメロットの高橋兄弟も毎度毎度チャレンジングな会社ですね。最初はチュンソフトエニックスドラクエなどを開発。その後はセガ陣営でメガドライブ・サターンのシャイニングシリーズ、そしてSCEで名作みんなのゴルフを開発した後は、任天堂陣営にうつってマリオゴルフを作ったりと、本当に様々なプラットホームで開発しています。
キャメロット (ゲーム会社) - Wikipedia
よく言えば野心的、悪く言えば浮気性というところでしょうか。元々キャメロット自体、セガが他社ハードにもソフトを出すための隠れ蓑的会社だったということも、そうした傾向を反映しているのかもしれません。
個人的には、メガドライブセガサターンユーザだったこともあり、キャメロットにはなじみ深いのですが、正直あんまりいい印象はないんですよね。キャメロットがメインで開発したシャイニングフォースIIは難易度やシナリオがなんかぐだぐだした印象で、名作だった初代シャイニングフォースを期待していた自分はかなりがっかりさせられましたし、セガサターンで出たシャイニングウィズダムも正直クソゲーでした。なんか子どもっぽいと言うか子供だましな印象がしちゃうんですよね。マリオゴルフマリオテニスだと任天堂チェックも入っているでしょうから、違うのかもしれないですけど。マリオテニスGBAはシンプルな操作で楽しめたのでよかったですが、ストーリーモードの展開とかは正直微妙な印象でした。それでも、任天堂ファンからはかなり絶賛されている印象ですよね。そう言う意味では、残念がる任天堂ファンの方も多いのかもしれません。


オンラインゲーム市場は、最近やたらと各社積極的に乗り出していますよね。ブログやSNSのヒットを見ると、まだまだオンラインゲームも伸びるという見積もりなのでしょう。ただ、ゲームの場合、どうしても使用するPCのスペックなどに依存するところがあります。PC自体、ゲームのプラットホームとしてはまだ安定性に欠けるところもありますし、どうなりますか。もっとも、今後WindowsVistaがOSとして載っているPCが増えれば、一定の3D性能は期待できることになりますので、これまでよりはゲーム環境としては安定してきそうな印象もしますけど。それでも、すでにオンラインゲームではみんなのゴルフのパクリ萌えゲーム、パンヤが幅をきかせていることもあり、そう簡単に成功はしない印象もするんですが、どうなんでしょうね。


任天堂SCEマイクロソフト据置ゲーム機市場で火花を散らしていますが、ここにソフトバンクがオンラインという視点から横やりを入れてきたような印象。オンラインゲームの思想はスクエニ和田社長の発言とも近いだけに、今後もこうしたソフトメーカーが出てくる可能性もあります。果たして、将来のゲームはどうなっていくのか。各々のサービスがものを言う時代になりそうです。