「2007年末にはPS3はHDDなしで4万円。そこからがゲーム機としての本当のロンチ」 by浜村通信

先週のファミ通では、自分の予想に反してE3のアンケート結果はWii圧勝。巻末の浜村通信でもWiiを基本的には賞賛するコメントでした。もっとも、Wiiリモコンはつかれるとか、ストレスを感じてこのままじゃ駄目とか難癖をつけているところは、らしい感じはしましたが。
そして、今週のファミ通の浜村コラム。今回はPS3についての話ですが、これがまあ、とんでもない電波発言でした。ざっと要約すると以下のような感じです。

  • PS3は楽しむのなら60GBのタイプを買うべきなので、7万円台からの開始となり、ゲーム機としては確かに高い。
  • PS3はゲーム機という位置づけではない。家庭で楽しむデジタルエンタテイメントのすべてを制御するコンピュータだ。
  • PS3のネット機能で、映画や音楽をテレビでダウンロードしたり、PS3に届いたメールを外部からPSPでチェックできる。
  • 本体のUSBポートにチューナーつければHDDレコーダになるし、ヘッドセットをつければTV電話にも。
  • さらにPS3を装着できる大型家電や、内蔵した家電も登場する。
  • ゲーム機としては高いが、高価でも買うハードマニアが100万人はいる。BDプレーヤとして10万円を切っているから、200万台はあっという間に売れる。最初に買うのはそういう一般家電としてほしい人。
  • PS3を生かしたソフトが出るのは時間がたってから。2007年末にはFFXIIIMGS4が出ている。そのころにはHDD後付で4万円のPS3が出てくる。そこからがゲーム機としての本当のロンチだ。

えーと、理解できましたか?自分も要約するのに苦労しましたw。


まあ、予想できたことではありましたが、PS3をゲーム機としてではなく、別のものとして語り始めてますね。ゲーム機としては高いのは自明なので。PCWatchでの後藤氏などと同様の論調です。
しかし、そこで描かれる未来像がことごとく電波と言うか、魅力なしw。TVで音楽ダウンロードとか、別に目新しくもないですし、ソニー製品に限定されてしまいiPodとつながらないんじゃソニーファン以外には価値なしです。PS3に届いたメールをPSPでチェックって、なんだそりゃ?って世界です。外部なら普通に携帯のメールでいいじゃんw。チューナをつないでHDDレコーダっていいますが、何でわざわざPS3で録画しないといけないのやら。しかもPS3のHDDは2.5インチのためコストパフォーマンス悪いし、DVDにも焼けません。よっぽど普通のHDD付きDVDレコーダの方がましです。PS3付きの家電とかまでくると、もはや冗談としか思えないw。だから、それ何にマシンパワー使うんだよって。PS3付きの冷蔵庫とかあったとして、皆さんほしいですか?

いつもだったら、この手のクッタリ未来図はクタタンが得意満面で語ってくれるのですが、今回は全然発言してませんからね。ゲーム機以外の要素をなんとか作らないと7万円の値段の説明ができないため、浜村氏がない頭で必死に「デジタルエンタテイメント」やらを絞り出したんでしょうけど、それにしてもお粗末すぎです。

そもそも、”ゲーム業界”の人間が、なんでPS3の”ゲーム以外”要素を必死になって説明する理由があるんでしょう?これでは、単なるSCEの広告マン、代弁者にすぎません。というか、逆に言っている内容がちゃちすぎて邪魔しているぐらいですね。こんなレベルで方々の大手マスコミに、ゲーム業かにおける知識人としてコメントしているんですから。本当あきれてしまいます。いい加減、各種マスコミも浜村氏にコメント聞くのやめた方がよくないですかね?


さらになめているのは、「高くても買ってしまうハードマニアは100万人はいる」という発言。この「買ってしまう」という口調からしても、もう完全にマニアを馬鹿にした発言ですよね。「黙っていても、馬鹿なマニアには売れるw。」というニュアンスにしか感じられません。
しかも、それが軽く100万人はいるって、どういうマニアだよ。下に2005年のHDD付きDVDレコーダ全体の売り上げ台数の情報を載せますが、3〜5万円台からあるレコーダですら1年で約400万台ぐらいとなっています。
HDD/DVDレコーダの出荷台数が13.8%減---民生用電子機器の出荷実績より - 産業動向オブザーバ - Tech-On!
それなのに、BDとはいえ再生機能しかないプレーヤだけで飛びつくハードマニアがなんでその1/4の100万人もいるんだよ、って話しな訳です。マニアなんて、一般層の1割いるかいないかというものでしょうに。この理屈じゃ、現在10万円で売っているHD DVDプレーヤだって「ハードマニア」のおかげで100万台軽く売れちゃうことになりますよ?丼勘定、おおざっぱにもほどがあります。

それに、その後のゲーム機として、という話の論調もめちゃくちゃ。まるでHDDなしの4万円PS3が2007年末に出るのが確定のような口調。そもそも、HDD前提がメリットであるPS3で、HDDなしモデルがあってもしょうがないじゃん。結局HDDつけるために1〜3万ぐらいかかっちゃうんだから。ソニーだっていい迷惑じゃないでしょうか?何一マスコミ人がソニーの販売戦略まで決めつけているんだよ、って。

しかも、結びの「2007年末からがゲーム機としての本当のロンチ」という発言。これも、まるで「ゲーマーは2007年末まで待て。出てすぐ買う奴は馬鹿なマニアw。」って言っているようにしか聞こえないんですけど。どう考えても最初に7万円のPS3を高いと思いながらも買うのはゲームマニアでしょうに。そういった、貴重な購入層にまで「馬鹿なハードマニア」扱いしてしまっているわけで、本当、何がしたいんでしょうね、浜村氏は。



…まあ、ながなが書いてしまいましたが、一言でまとめるなら、以下の通りでしょうか。


「寝言は寝てから言え」