ITmedia News:[WSJ] 振動コントローラ特許訴訟、ソニーが黒星

PS2で使っているコントローラ振動技術に関して、Immersionから訴えられていた件の続報です。前回の判決では、地方裁判所での陪審の判決で、賠償金を支払うよう判決が出ていました。関連ソフト、本体の販売差し止めは、処分保留状態。
ITmediaニュース:SCE、Immersionとのフィードバックコントローラ特許訴訟で敗訴

今回は、上記地裁の裁判を再審させようというものだったそうですが、それが退けられた模様。結局、再審の必要性を示すのに十分な証拠がなかったようだ。

それ以上に、今回の件をきなくさくしているのは、ソニー側がソーナーという人物にお金を与えて偽証させたのではないか、と裁判で言われていること。もし本当だと、恥の上塗り状態ですね。

コントローラの振動技術については、任天堂もMSも利用しているものです。これらについて、2chでは以下のような分析がされていました。

ゲーハー板によると。
1、まず任天堂が外観上外付けで「振動機能の拡張」に関する特許をとる (※セガはこっちを使ったらしい)
2、Immersionが1にない部分、つまり「内蔵」に対しての振動機能拡張の特許をとる。
3、SONYが1で該当しない部分、つまるところ「振動機能内蔵」におけるコントローラーを販売
4、GCXBOXが発売される
5、SONY訴えられる
6、4においてMSは和解。任天堂は訴えられず。
このことから「共同開発」と言う言葉が推測されるが、実際は2は1の拡大部分に過ぎないため任天堂が異議申し立てをすれば簡単に無効になる可能性がある為、
両者には不可侵条約のようなものがあると』推測されている
7、金を払いたくないSONYに不明な金の動きがあったらしくそこを突かれて2審でも敗訴。
という流れらしい。

MSはすでに問題解決済み、任天堂は特に公にはやりとりは出てませんが、お互いに特許で参照しあっているところを見れば、裏でクロスライセンス(会社間の特許ぶつぶつ交換みたいなもの)をやっているんじゃないかと思われます。どの業界でも、自社技術だけですべて成り立たさせることはむずかしいので、同業種間のクロスライセンスはよくあることですしね。
問題は、なぜSONYがこんな特許紛争に巻き込まれたか、ということですよね。ソニーだって、優秀な法務部門は抱えているでしょうに。テトリスのときのようなことが起きたのでしょうか?テトリスの時は、たしかセガテトリスライセンスをテイカンから交付してもらってアーケードのゲームを出し、家庭用にも出そうとしたら、任天堂テトリス作者から直接家庭用ライセンスを譲りうけてだしてしまった、というものだったように思います。つまり、セガ側が、ライセンスをもらう相手を網羅し切れてなかったということで。任天堂はその不備をさくっとついた感じですね。
今回の件も、ソニーが振動関係の特許ライセンスを受けるべき相手を見誤ってしまったとか、そういったたぐいな気もします。最初から踏み倒す気だった、というのは、ちょっと考えられない気はするんですけど。で、訴えられたときにはすでにPS2は世界的に圧勝してしまっていたため、後からライセンス料を払うにしては額が高すぎて、しゃれにならない状態になっていた、と。

米国での裁判は、とかく日本企業に不利にでかちで、今回の件も判事が「ソーナー氏は「信頼できない」証言者であり、同氏がImmersionに不利な証言を15万ドルの「お返し」と見なしていたことを示唆する「強力な証拠」がある」と言っていて、なんかライブドアメール騒動のような感じさえうけます。本当か?と。日本企業たたきたいだけとちゃうかと?
とはいえ、かなり状況的には不利な感じはしますし、ソニーは最近トロイCDの件でもかなりの不評を集めたところです。まだ控訴審はありますし、最高裁まで行けば相当時間はかかるでしょう。問題が長引く前に、なんとか和解に持って行った方が平和な気がするんですけどね。裁判で負けが込めば込むほど、和解条件が悪くなるでしょうし。


しかし、これにより、PS3のコントローラに振動機能が載るかどうかが微妙になりますよね。もし載らないとすると、PS2のゲームでの互換性問題が出てきます。振動機能付きでプレイしたかったら、PS2のコントローラを使え、ということになるのかも。PS3はUSBコントローラのようなので、つなぐためには変換コネクタが必要になるでしょう。よけいな出費ですよね。また、せっかくPS3はデフォルトでワイヤレスなのに、PS2のコントローラはほとんど有線。このあたりもスマートじゃありません。PS2の上位互換ですんなり置き換え、という戦略にけちがつくのは、SCEにとっても頭が痛いところではないでしょうか?