ファミ通クロスレビュー ダージュ。。。

PS2で発売された、FF7ダージュオブケルベロスFF7ブランドがついているため、それだけで相当な固定客が見込めるタイトルでありましたが、その購入者の感想、レビューは相当ひどいもののようです。
ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII- / レビュー集
さらに、ソフトがオンライン対応であり、前所有者がオンラインプレイしていると、中古で購入してもオンラインプレイ出来ない仕様らしく、中古買い取り拒否やオンラインプレイの有無で買い取り価格が変わるなど、糞ゲーだと思って売ろうと思った人にも中古屋にもやっかいな代物だったそうです。

そんなFF7DCですが、このソフト、発売前にファミ通でレビューが出ませんでした。これまで、nintendogsなどで後からレビューが出たり、そもそも脳トレのようにレビューされていないものもありましたが、それらは基本的に評価の高いものでした。(もっとも、脳トレなんかは、普通にファミ通レビューワが点数つけたら酷評しまくり、低い点数しかつけなかったでしょうから、これは任天堂側からストップが入ったorファミ通自身でだめだしした可能性もありますけどね。)
しかし、今回はこうした評価最悪の状態。一体本当はどんな点数なんだよ、と注目していた点数が今週のファミ通で出ました。

ダージュ 7777
ゲーム屋店員の戯言:来週の新作ゲーム

ファミ通的には、正直凡作につける点数ですね。通常、大作の場合ファミ通はたとえ糞ゲーであっても、レビューの点数自体はかなり高い点数をつけ、コメントとのところで多少だめ出しをする、という手段が多くとられていました。点数が低いと、初動の売り上げに響いてしまいますからね。しかし、今回はさらにその上を言った形です。そもそも評価の低いゲームなら、発売前に嘘ついて高い点数を上げるのではなく、そもそもレビューを見送り、あとで正直ベースでレビューを出そうと。

でも、これって言うまでもなく、禁じ手でしょう。ファミ通自らが、「自分たちのレビューは公平でもなんでもなく、広告主のためなら読者をだますことも全くかまいません」とおおっぴらに公表しているようなものです。おそらく、これはスクエニ自体の意向でもあったんじゃないでしょうか?つまり、スクエニ自体が、「このゲームはつまらない」と把握していたものと思います。でも、FF7シリーズということで、固定客がいることは分かり切っている。そして、そうした客は初動で必ず買うことも分かっているし、ゲーム性など、発売前のレビューさえ無ければなかなか分かるものではない。つまり、「発売したもの勝ち」な状況だったわけです。それをファミ通側とも口裏あわせてこうした自体になったのでしょう。8オールなどのレビューでもそれなりに売れたとは思うのですけど、スクエニ営業が「ミリオンは確実、あとは+αがどれだけ行くか」と語っていたとされるように、そこそこの売り上げじゃ満足行かず欲が出たと言うことでしょうね。

こんなあからさまに消費者をバカにした方法がおこなわれ、それで実際40万本ぐらい売ってしまうように成功しちゃうのは、本当にPS2ゲーム業界も末期症状と言えるでしょう。ソフトはすべて初動、ゲーマー・オタクという固定客を対象、続編至上主義、ゲーム雑誌はファミ通一強と、非常に狭く、密接につながった保守的な状態だからこそ、こうした手法が決まってしまうわけです。
ただ、こうした禁じ手を使ってしまったことは、今後に少しは影響が出るとは思いますけどね。そこまで、消費者もバカではないでしょう。今回の件で、ファミ通のレビューが以下に恣意的&大企業よりなのかは思い知った人も増えたでしょうし、新品で買うととんでもないはずれを引くこともあると、新品購入に警戒を抱く人も出てくるでしょう。それは、「大作であってもつまらない」「マスコミが前評価でべた褒めしていても信用できない」という感想を抱かせるわけで、ようするに先に述べた「保守的なゲーム市場」の根底を否定するモチベーションなわけですから。今後この手の大作ゲームで発売前レビューが出なかったとき、「もしかして地雷?」とファミ通読者が思う可能性はかなりあるでしょう。
3月にはいよいよFF12が出ます。紆余曲折を経て、久しぶりに出る大作ということで、相当に売れることは間違いありません。ただ、一昨年、同様に長期間をおいてDQ8の場合は時間をおいても常に堀井祐二のテイストを守り、質としても高いものを提供してきたのに対して、FFシリーズはFF10-2の低評価、そして今回のFF7DCの詐欺くさい売り方と、消費者を裏切っている状況もあります。
以前、PS、PS2と絶対的なブランドイメージを誇ってきたものが、そのブランドイメージにおんぶにだっこな商品PSXを出して大ゴケし、消費者の「PS絶対主義」に亀裂が入るきっかけとなった例もあります。このFF12の売れ行きで、ある程度日本の大作至上主義が本格的に駄目なのか、それともまだまだ保守的でだませるのか、現時点の答えが出る気がしますね。