Xbox 360、発売2日間で約6.2万台を販売 〜 ソフトは『リッジ6』 / ファミ通.com

Xbox360の苦戦

既に方々で伝えられていますが、案の定Xbox360の最初の販売はかなり厳しい結果だった模様です。表題のファミ通の記事では2日間で6.2万台、メディアクリエイトの発表ではもっと厳しく4.2万台。
マイクロソフト新ゲーム機Xbox360出足の売れ行き、出荷の3割弱−調査 - Bloomberg.co.jp: マーケット
ちょっと差が大きすぎる気もしますが、それでも絶対的に少ないことに変わりありません。また、品切れで少ないのならまだ分かりますが、実際に全然売り切れて無いわけですからね。事態は深刻です。
「好評発売中!」のXbox360、アキバ週明けの品切れ状況調査

この状況は、大きいのはたしかにファミ通でも言っているように、DOA4の発売延期でしょう。正直Xbox360唯一の独自キラータイトルな訳ですし。それ以外はとくに目立った魅力もなく、PS2でもできそうなものばかりですから。ハイデフ、っていっても一般の人には意味不明ですし、現状一ゲーマーのレベルでHDTVを持っている率も低いでしょうから。
こうしてみると、とにかくPS2に先行し、PS2と同様の戦法を使ってPS2から市場を奪う、という手法は間違っていたというしかないですね。PS2と同様の手法、ということは、正直ゲーム自体はたいしてPS2と変わらないわけです。たしかにグラフィックは綺麗なのですが、ワンダと巨像などを見ても分かるように、PS2でも現状ではかなりきれいですし、解像度が高いと言ってもHD画像はHD対応のTVが必要。さらに、単に液晶テレビとかならいいという話ではなく、本当にHD映像の恩恵をうけるためには32型以上の大きさのディスプレイが必要とされています。加えて、本体価格は4万円、Xboxブランドは日本じゃ底辺、と来ては、現状では爆発的に売れる要素はありませんよね。

PS3の場合

では、PS3はどうか、ということになりますと、いくつかの状況は一緒ですし、いくつかの状況は異なります。まず一番違う点はブランド力でしょう。いくらPSPや最近の騒動でソニーのブランドイメージが低下しているとはいえ、据え置きゲーム市場にかぎって言えば現状PS2の独占状態。このブランド力は相当強力です。また、既存の大作ソフトも、Xbox360がこれだけこけていることを考えると、少なくとも日本市場向けのRPGなどはマルチプラットホームをせず、PS3に絞ってきそうな気がしますし、そうしたソフト量への安心感がPS3にあります。他に違う要素としてはBDというのもありますが、当初ソフトはDVDばかりでしょうし、BDソフトも最初はないと言うこともありますし、ローンチの魅力としてはあくまでおまけ程度なように思われます。

一方で、Xbox360同様陥る可能性があるのは、「HD映像の恩恵の薄さ」です。上記で述べたように、現状ではまだHDTVの普及はまだまだな状態です。もちろん、現状では液晶テレビは「ボーナスでほしいもの1位」となっていたり、デジタル放送もますます広がりを見せるなど、ぐんぐんHDTV自体は増えていくことでしょう。ただ、問題はそのディスプレイの大きさです。小さな液晶の画面では、HD映像になっただけではあまり恩恵がありません。安物の液晶テレビではSD映像の拡大性能がしょぼいので、HD映像で入れた方が綺麗、ということはあるでしょう。ただ、アナログ放送とデジタル放送では、アナログのノイズの入った映像から、デジタルでアナログ的なノイズの少ない映像に変わる、という劇的な変化があります。それに対して、ゲームの映像はもともとノイズは少ないですし、これが単にHD解像度になっただけでは、小さいサイズの液晶テレビでは差があまり分からないでしょう。これが、PS3の抱えている問題だと思われます。

PSPが発売日に爆発的に売れたように、黙っていてもPS3を買う人間はおそらく相当な数います。ただ、PS2のように、ゲームと関係ない人間まで安いDVDプレーヤとして買うような状況は、おそらく起こらないでしょう。値段も5万程度となると、予想以上にその売れ上げのペースが鈍るのがはやくなるかもしれません。もちろん、PS3ならではキラーを早めに持ってこれれば別ですけどね。MGS4がどの程度の段階で出てくるか。DOA4同様、ソフトへの比重は大きくなりますね。

●レボリューションの場合

レボリューションは、もとからHD出力は捨てています。現時点ではこれは間違ってはいませんが、上述のように今後爆発的にHDTVが普及することを考えると、この点はマイナスです。最低限、480Pを基本とし、本体設定で16:9と設定したら、以降のゲームはすべていちいちオプションで選ばなくても16:9の画面で遊べるような機能は備えるべきです。16:9のテレビで、左右に黒帯入れてゲームやるのはかなりむなしいものなので。
一方、大きなディスプレイがあまりない、という状況はレボリューションにはプラスになります。480P+16:9に対応し、アンチエイリアスもきかせてジャギがとられていれば、こうした20型液晶などであれば結構な画質となると思います。

ブランドイメージという意味では、据え置きのゲームキューブはかなりひどいものです。ですので、そのイメージにもとづいてレボリューションを買うというユーザは少ないでしょう。レボリューションは、やはりDSと同様、「いままでとちょっと違って面白そう」という感じで、既存のゲーマー以外をいかに引きつけられるか、という感じになるでしょう。

●まとめ

普通に考えれば、Xbox360の爆死っぷりを見る限り、次世代戦争の勝者はPS3でしょう。ただ、PS2という最強の壁をどの程度崩せるかは未知数です。結構な数のユーザが、PS2でもいいや、という発送をしそうな気もします。こうしたユーザの買い換えのためには、BDが規格として完全勝利をおさめ、BDでキラーとなる映画が発売される、といったことが必要で、まだ数年期間を要するようにおもわれます。
Xbox360については、国内での勝利はないですね。PS2の置き換わりをねらったために、PS2を超えることはできなそうです。HDDもセーブぐらいにしか利用していないみたいですし、こうなったらロード速度アップの線はすてて、そうそうにコアシステムとして安価なパックを提供しててこ入れが必要でしょう。
一番ちゃっかりしているのはレボリューション。もともとロースペックのアイデア勝負、低価格、低消費電力、省スペースと、あきらかに「セカンドマシーン」を意識したつくりです。置き換えるのではなく、気軽にもう一台買ってもらおうと。こうした状況を見ると、No.1据え置きはPS2のまま、セカンドマシンとしてレボリューション、というのはありえそうなシナリオとは思います。

とりあえず、E3終了後には、かなり次世代機戦争の行方は見えてくるような気がしますね。