小学館、小学生のデジタル機器保有状況を調査 デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS

日経のアンケート。小学生に聞いたところでは、PSPニンテンドーDSとでは、「欲しいゲーム機」が47.1%で並んでいた、ということです。
へー、潜在需要は同じぐらいなんだ…、と一見思ってしまいそうですが、これもまたいつものように数字のトリック、情報の提示の仕方の偏りによる誘導行為があるようです。

2chのスレッドに、実際に新聞で提示されているグラフが載っていました。
グラフ
このグラフを見ると、上記のニュースのページは書いていない、重要な要素が隠れています。それは、以下の項目です。

「現在保有しているゲーム機の比率」
ニンテンドーDS … 約32%
PSP … 約5%

上記のように、現在の保有率に30%ちかい隔たりがあるわけです。なおかつ、保有ゲーム機も、欲しいゲーム機もともに、「複数回答」です。保有ゲーム機は複数回答でも実際に持っているゲーム機しか記入しませんが、欲しいゲーム機となると、話は変わります。まず、「欲しい」だけなので、いくらでもマークすることができます。また、たちが悪いことに、「現在すでに保有しているゲーム機は、さらに欲しいとは思わない」ということです。実際、GBAPS2の比率を見ると、以下のように「欲しい」とされる比率が比較的低くなっています。

GBA
保有率:約72%、欲しい率:約13%
PS2
保有率:約50%、欲しい率:約25%

GBAも、PS2も、保有率と欲しい率を足し合わせると大体80%前後。DSも大体そのぐらいとなっています。一般的に成功していると言われる機種の一つの目安の数字なのかもしれません。一方、PSPは足しても50%ぐらい。これは、潜在需要がある、と見るよりは、「一見よさそうな印象派与えているが、購入させるまでにいたっていない」と見た方がいいのではないでしょうか?


本来今回のアンケート結果は、保有率と欲しい率を合わせて評価すべき内容なのです。それなのに、この記事では欲しい率がDSとPSPが並んでいることをことさら取り上げ、なおかつ「なぜPSPが指示されているか」という解説まで載せています。日経は、ビジネスにおいて非常に影響力の大きいマスコミではありますが、所詮はスポンサーからの資金で成り立っている会社。情報の正確性は保たなければならないので数字は正確に載せていますが、いかに解説記事でスポンサーに有利な方向に持っていこうとしているか、その意図がよく見て取れます。


自分は、これまでにも何度か、非常に偏ったものの言い方で情報を誘導する例を提示してきました。
わぱのつれづれ日記 - ITmediaニュース:「PSP」でゲームしてみたい、10代の5割強
わぱのつれづれ日記 - Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <新型携帯ゲーム機>PSPが2カ月連続でDS上回る

いずれも、数字はそれなりに正確(と信じたい)ながら、その評論が一方的です。不思議と、PSPに限ってこうした記事が多いんですよね。この辺が、マスコミに対する、母体の影響力の違いなのでしょう。


自分はゲームにある程度詳しいので、こうしたトリックを見破ることができますが、ゲームに興味のない人では難しいでしょう。逆を言えば、自分自身も、あまり詳しくない、関心の薄い分野では、同じように偏った解説記事で偏見を持ってしまう可能性もあると言うことです。
情報があふれながらも、その中にさまざまな意図が隠されている現在。できる限り客観的、多角的なものの見方をしていきたいものです。