Vocal Cancelがウイルスな件について。

知ったのはこのニュースでしょうか。
スラッシュドット ジャパン | トロイの木馬入りのシェアウェアVocal Cancelに注意
シェアウェアトロイの木馬がしこまれており、不正シリアルを登録すると、そのPCのメールアドレスなどをスパイウェアで自分のところに送信し、個人情報を集めてしまうというもの。このソフト自体は2002年で止まっており、このトロイの木馬の件についても去年八月には判明し、今年2月にはトレンドマイクロにはウィルスとして認定されていました。
それが、なぜこれほど騒がれることになったかというと、基本的には以下の2chスレのやりとりから。
 どういうことよ 【作者、意図的なウィルスか】
このスレの中で、改めてスパイウェアとして確認されたことに加えて、それをVectorに通告、さらにこのソフトの作者が、知名度の高いSoftEtherにも関わっていたということから、騒ぎが大きくなりました。
そして、ほどなく各社のウィルスソフトでTrojan.Hirofuされました。この作者の名前が古田泰大という方らしいですが、その名前からウィルス名が付けられた模様。ある意味スゴイ。さらに、収集した情報をもとに、警告文を送り、不正使用を認めた人物には調査費として1万円を徴収していた模様。これって、立派な恐喝じゃない?実際に不正シリアルなんだろうけど、もしこれを自分で流出したりしてたら、立派な振り込め詐欺です。しかも、これをソフトのReadme.txtに書いてあったというのだからすごい。

そして、Vectorは実際にウィルスだったとしてソフトを撤去、作者のページを閉鎖。こうして、完全に公の事項となったわけです。
「Vocal Cancel」公開停止の件について


さらに、問題を大きくしているのが、SoftEtherがらみです。これに関しては以下の記事が非常にうまく追及されてます。
( ’-’)ノトロイ入りシェアウェア Vocal Cancell - 双恋が来たので閉鎖しますマックスハー

まず、この古田氏がSoftEtherの一部に関わっていたということで、SoftEtherの主開発者である登大遊氏の日記に、「SoftEtherにたいしても何かSpywareしこんであるんじゃないか?」という書き込みがされます。これに対する、登氏の対応が実に悪かった。

# softetherSoftEther にトロイやウイルスやその他有害なコードが入っていたとかいうなら大問題ですが、
調査したところ SoftEther 本体は汚染されていないですし、しかも万一のことがあっては大変なのでそのコードも全部抹消したところなのですが、
たまたまプログラムを臨時で発注した先の人が別のところでトロイを撒いてたかも知れないというだけで、別に今のところは SoftEther とは無関係ですよね。
何ら被害も出ていない。それを無理に関連付けようとしたい貴方は厨房か何かですか?』

うーん、知り合いが貶されて、なおかつ自分に飛び火してきたのに対して気にくわなかったのは分かるんですが、この発言はアウトでしょう。すくなくとも代表取締役のするコメントではありません。「スパイウェア仕組んでいる人が関わっていて問題ないのか?」という発言に対して、厨房呼ばわりですからね。会社としてはまず謝罪して誠意を示し、事実関係を調査した結果を慎重に報告しなければならないのに、感情むき出しですからね。
そして、その後の対応もまたちょっと。この状態でコメントを禁止して、なおかつ以下のような書き込み。

# vns 『で、あんたは何をして欲しいんだい>pekeponさん
あんたがなんか被害を被って弁済して欲しいならそう書けばいいだろう。
どうされるんでしょうかみたいな陰湿な質問をしてニヤニヤしてる暇があるなら
なんか良い対応策でも出してみたらどうよ?
トップが引責?そういう古くさいことしか思いつかないから世の中進まないんだよ。
もっと実質的なこと言ってみろっつーの。』

これが、Googleキャッシュ誰かの裏日記から、どうやら同業者、関係者と先のリンクに貼ったnekonekoさんが考察されてます(2chだと、登氏本人とも言われていますが…)。そうだとすると、陰険ですよねぇ。というか、この発言、どこかで見たことがあるようにおもいませんか?あの有名な以下の発言です。

複雑
傍観社 - 00/09/14 08:42:32
人生明るく・・さん、がんばれ3さん、淋しいね、あなたたち。
失敗と成功は紙一重。あなたたちの人生、もはや「失敗」です。
ドットヌケは結局は「仕様の範囲」なのですから、いつか改善される日がくるまで
まてばいいんじゃないのかな?
だって、今、あなたたちがなにを言っても、実際に改善できてないんだから。
なんなら、君らが作れるの?オ・タ・クさん。

これは、SonyGateKeeperの発言として有名なものです。実際の問題のことを棚にあげ、非難している人物を見下し、「おまえらに何ができるの?」という態度で開き直る…。これが関係者の発言だとしたら、驚くほどコメントの本質が似ているわけで、とても興味深いですね。

そして、最終的に、現時点では上記コメントを非表示・削除して、無かったことにしようとしています。2chやキャッシュが豊富にあるこのご時世、自分の暴言をあとからどうやっても消せないぐらい、分かっていそうなものなのに…。

結局、SoftEtherという会社としては、ちゃんと態度をあらため、関係するコードを削除し、問題はないということをリリースしています。
SoftEther VPN 2.0 Beta 3 - SoftEther.com
なんでこの対応が最初にできなかったんでしょうね…。もったいないことです。今回の件で、SoftEtherの開発者、そしてそこに関わる人間性の暗部が露呈されてしまいました。ウィルス仕込むプログラマに、開き直る代表取締役ですからね。SoftEther自体、非常に有効なソフトだけれども、企業などでは全面禁止にしているところなど敵が多いところですので、これからどうなりますやら。