Xbox 360のキーパースンJ Allard氏に聞く(後編) - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース

Microsft、Xbox360側の重要人物らしい人のコメント。
「整数演算能力が高いのがゲームには重要」、「CPU非対称マルチコアは利点」、これは自分もその通りだと思いますね。浮動小数点演算ばかり速い、というのは正直3Dぐらい?あとはメディア処理でしょうか。どちらにしろ、パワーでごりごりやる処理ですよね。ゲームでは分岐処理が多いですから、そちらにベクトルを向けることは間違っていないと思います。
で、笑えるのが以下のやりとりか。

【Q】 SCEはゲームを超えた、包括的なコンピュータエンターテインメントを構築しようと言っている。素晴らしいコンピュータエンターテインメントのプラットフォームを作れば、その上で素晴らしいゲームもできるというビジョンだ。そして、革新的なアーキテクチャによって、コンピューティングパラダイムも変えて行きたいと考えている。

【Allard】 それは本気か?(笑)

Allardの切り返しが最高。ようするに、SCEの言っていることは、なんだか小難しい言葉並べてすごそうに見せているけど、要するに何も言ってないに等しい言葉ですからね。そのものずばり答えているところがかっこええw。
あと、以下のやりとりも痛烈。

【Q】 SCEのCellコンピューティングのビジョンはどう見るか。

【Allard】 私はすごいゲームを作りたい。カスタマは誰も、新しい分散コンピューティングパラダイムを買いたがってはいない(笑)。

PS3は、PS2以上に「ゲーム以外のもの」に向いてしまっている感はあるよね。PSPUMDとかに色気を出して、結果的に非常にバランスが悪いマシンになってしまったように、PS3もポテンシャルは高くても使い切れないというか、ボトルネックのせいで性能が発揮できない可能性もありますよね。
そして、最後のコメント。

 しかし、我々が抱えている課題は、ゲーム開発者に、未来(の革新的なゲーム)を考えさせることだ。そのためには、テクノロジでなくエクスペリエンスこそが重要だ。どんな新しいゲーム体験を推進できるのか、どんな新しいサービスを開発者に与えられるのか。そのサービスによって、開発者が革新して、ユーザーに新しいアイデアを提供できるようになる。

こうしたコメントを見ると、マイクロソフト任天堂とそれほどビジョンが異なるものではないと感じますね。ただ、MSが現在の据え置き機の延長線上に革新を求めているのに対して、任天堂がある意味物理的な革新を狙っているところが違うところでしょうか。少なくとも、ゲーム機メーカーの姿勢としては、ソニーよりは好ましいですね。
とはいえ、やはりPS3PS2の後継。そういった意味で、現状ではイメージNo,1。まじめな考え方のXbox360が、このままの堅実な作戦で勝てる見込みはないとおもいますけどねぇ。あるとすれば、PS3が盛大にこけたときでしょうか。