任天堂・宮本茂氏インタビュー/IGN - Nintendo iNSIDE

E3開催中ですが、宮本茂さんは会議室で缶詰のままインタビュー攻めされているようです。
内容としては、基本的に皆が聞きたいことを繰り返し、疑念も交えながらインタビューをしています。それについて、宮本氏は極力情報を公開しないよう答えています。その中でおもしろい応答や興味深い発言を抜き出してコメントを。

「レボリューション」へのアプローチは私達自身への問いかけでもあります「なぜ家庭用ゲーム機が必要なのか」。どのような機能があればファミリーが「あのゲーム機が必要だ、是非欲しい」と言ってくれるのかということです。私達はこのような問いかけをして、これが私達の開発を進めています。

かなり根本的なところから考えているようですね。PS3Xbox360が単純にスペック更新だけを(結果的に)めざしたのにたいし、宮本氏は「家庭用ゲーム機」の再定義を目指している節があります。まあ、単純にゲーム屋である任天堂はパワーゲームには勝てないので、そうした戦い方をするしかないのですけど。でも、ニンテンドーDSのように、僕はそういった考え方は好きです。

――『大乱闘スマッシュブラザーズ』の開発はどうですか

オリジナルの『大乱闘スマッシュブラザーズ』は岩田氏がHAL研究所を見ていた頃の作品で、私達はここでデザイナーをしていました。もちろん岩田氏は今任天堂の社長です。私は余り『大乱闘スマッシュブラザーズ』には関わっていません、彼に聞いてみてください。

岩田社長、まだ開発に関わっているのか。相変わらずの人だなぁ。よくそんな時間があるなと。まるでベンチャー企業みたいだ。

――私達はもっと「レボリューション」を知るために次のE3まで待たなくてはならないのでしょうか。それとも今年後半にスペースワールドがありますか

それは決定していません。私達はまだ何も決めていません。開発者や皆さんからの反応も基にして何時どのように発表するか決めることになると思います。「レボリューション」に関する限りE3 2006には全てが明らかになります。全てはそこにあり、私達はその場でとても良い状態だと皆さんに伝えることができるでしょう。

この返事を見る限り、少なくとも6月前後には発売、ということでしょうか。PS3は3月っぽい雰囲気ですが、遅れる可能性もありますし、PS3とはよく似た時期に発売することになるのかも知れませんね。

――私達全ては「レボリューション」の革命的な部分はコントローラーにあると見ています。あなたは既に「レボリューション」を理解したのでしょうか、それとも未だ解いている最中ですか

私を疑ってますね(笑)。私の言葉を信じてないですね。私は理解しましたよ(笑)。

もちろん、それは堅く閉ざされています。しかし既に決定されました。私は是非ともそれを見せたいと願います。私は「レボリューション」のコントローラーを示して、それについて早くあなたに伝えたいと願います。しかしながら残念ながら、早く見せすぎれば、そのアイデアは盗まれるでしょう。それは私達の歴史から知ることが出来ます。アナログスティックはブームになり、振動パックは誰もが振動させることができるようになりました。ワイヤレスコントローラーも私達が最初にやりましたが、今はどこにでもあります。ですから、これはベールの中に隠しておかなくてはなりません。

質問と、それに対する宮本氏の発言が笑えるw。その場のやりとりが想像できて楽しい。
この発言からは、すべて仕様は決まっているけど、まねされるのが嫌だから発表しない、ということのようだ。たしかに、コントローラは本体と違って、比較的開発自体は楽ですからね。これまで散々PSにぱくられてきた経緯が、こうした慎重な姿勢にさせているのでしょう。
こうしてみると、今回の情報公開の少なさ、発売時期の遅れは、ひとえに「PS3待ち」なところもある気がします。先行するメリットよりも、後出しでも斬新な操作性を打ち出すことを選んだという感じで。ある程度腹をくくっている感じがします。それだけコントローラに自信を持っているのだとすると、ちょっと期待したくなりますね。もっとも、過去のゲームとの互換性から、あまりにも奇抜なものにはならなそうなのが残念ですけど。
ただ、このような戦略で怖いのが、情報が何かの弾みで漏れたときです。産業スパイとか。発表しないうちに派くられたら、それこそ最悪ですからね。それだけは心配です。

――「レボリューション」で『パルテナの鏡(Kid Icarus)』を作ってもらえませんか

ええ、実際私はオリジナルの『パルテナの鏡』のディレクターと一緒に仕事をしています。「レボリューション」の開発が完了したときに誰かが「おい、このハードに『パルテナの鏡』は完璧に合うじゃないか」と言うかもしれませんね。しかしそれは置いておいて、私が知りたいのは、ゲームが発売された時に買ってもらえるかどうかです。

――もちろんです!

ええ分かりました。無視できません。それではナスビ使いを連れてきましょう。

あほだ、このインタビューワw。でも、このノリはちょっと好きかも。

――「レボリューション」はゲーマーを疎外するだろうと思いますか

いいえ、ゲーマーを疎外することは全く無いと思います。ニンテンドーDSでも私達は他とは異なるものを作っていますが人々はそれを遊んでいて実際に楽しんでいることが分かると思います。同様に「レボリューション」にも他のハードでは決して経験できないようなゲームがあるでしょう。私は人々がそれを楽しんでくれると思います。

この質問は、いかにもゲーマーな質問ですよね。でも、所詮インタフェースはインタフェース。それだけのためにゲーマーのようなやり込み派が阻害されることはないと思います。というか、PCでマウスとキーボードを使いこなしてFPSをやっているようなユーザこそ、既存のコントローラーに満足して欲しくないところ何ですけどね。


以上、いろいろな質疑応答がありましたが、基本的にはけむに巻いている感じ。でも、まあまだ空想できるところもあるだけに、楽しみにはしていましょう。