ITmediaニュース:PSP、北米での売れ行きは「発売2日間で50万台」

気合いを入れまくって販売した米国でのPSPの販売。すでにいくつかの情報筋から販売数の情報はあがっていましたが、ソニーから正式に発表がありました。
その内容は「販売開始2日で50万台、1週間で1億5000万ドルの売り上げ」とのこと。これまた変な数字の出し方してますねぇ。毎度毎度ソニーのこういったせこい数字マジックは、非常に印象が悪いですね。昨日のHDDウォークマンのバッテリ駆動時間なんかでもそうなんですけど。
この数字も、要するに1週間で1億5000万ドル/250ドル = 60万台を売り上げたということ。素直にそういわないのは、発売開始3日目以降は10万台しかうれなかったので、インパクトのあるところだけアピールしようということなんでしょう。
この、3日目以降の売り上げの減り方について、SCEAでは「イースター休みと重なったため」と言っているようですが、全くいいわけになってません。その理由が分かっているならば、「なぜわざわざイースターに重なるようにPSPを販売したのか」ということになるからです。イースター直前というのも商機なのかもしれませんが、それだったら機会損失をさけるためにもう1週間ほど早く発売すればよかったわけですし。年度内に300万台というのをずっと公言していたため、苦し紛れの対応だったような印象すら受けます。

▼マスコミの反応

さて、この「60万台」という数字。これは見る人、メディアによって受け取り方はさまざまですね。ニンテンドーDSが最初の10日で46万台程度なので、それに比べれば圧倒的に売れている、という印象は受けます。ただ、NDSの場合は年末商戦と重ねたおかげで、継続的に大量の本体販売を行うことができました。PSPはいくら新生活商戦だとはいえ、年末商戦ほどの継続性は期待できない分、この最初の瞬発力は非常に重要だったはずです。何と言っても、わざわざ欧州販売を延期し、おまけでUMDスパイダーマン2を無料でつけるまでの大奮発をしている訳なんですから。
上記のような見方に沿った記事の筆頭としては、NikkeiNetでしょうか。
NIKKEI NET:ソニーのPSP米国販売、2日で50万台
この記事はかなり辛辣です。

『出荷台数の半分にとどまっており、アナリストらからは「期待はずれ」との評価も聞かれる。』
『発売初日こそ消費者の出足は好調だったが、その後、小売店の間から品薄を懸念する声は伝わってこない。』

上記のように、PSPのフォローは全然しておらず、酷評ですね。CNETの記事は、好意的なものと否定的なものをおりまぜています。
PSP、発売2日で50万台--ソニー、北米市場での販売台数を発表 - CNET Japan
中立的なのは、AVWatchITmediaでしょうか。単にSCEAの発表をニュースで伝えるだけ、という感じになっています。
逆に、非常に好意的に取り上げているのがZAKZAKですね。
PSP、北米市場でも大人気…1週間で163億円
まあ、毎度このスポーツ新聞もどきは持ち上げるときは持ち上げる、けなすときはけなすと、節操なく見栄えのよいように適当に作るメディアですので、とくに語ることはないかもしれませんが。
あと、こちらも好意的なのがasahi.comの記事。
asahi.com: 国内ゲーム市場、前年度を上回る PSP、DSなど寄与 - ビジネス
何が好意的かというと、それは以下の部分。

 ニンテンドーDSの販売台数は180万台でPSPの109万台を上回ったが、販売金額はいずれも240億円台。注目された携帯ゲーム機の販売競争は互角の様相だ。

なるほど、そういう見方があったかw。たしかに、消費者が製品に価値を感じ、支払った金額という意味では互角なのかもしれません。だけど、ゲームハードウェア競争ではそんなこと関係ないだろうに。たくさん売れた方が有利なのは間違いないです。また、売り上げ高だけをとりあげているのも滑稽。経済活動という視点で見るのであれば、利益率にもふれないと意味無いでしょうに。あからさまに戦略価格で赤字覚悟のPSPと、比較的余裕のあるNDS。それを同じ金額ベースで語るのはナンセンスです。
以上、いわゆる業界以外のマスコミは相変わらずソニーびいきですねぇ。そりゃ、新聞やTVCMなどで大量の広告費を払ってくれている大手スポンサーですからね。フォローしたくなるのも分からないではないですが。

とにかく、マスコミの報道の仕方はどうであれ、肝心要の米国でのPSPの販売がそれなりに順調な船出となったのは事実でしょう。あとはこれが継続するかどうか。

PSPの販売台数近況

日本でも、今年に入ってからずっと週間販売数ではNDSに勝利してきましたが、NDSの新色発売以降、2週連続で負けています。また、今週はPSPが始めて大きく売り上げが落ちたのも気になるところではありますね。

DS 43,023
PSP 33,911
週間ソフト・セルスルーランキング

もっとも、PSPの販売台数は、情報が出るたびにバラバラなので、何を信用していいやら訳が分かりませんけど。一応上記のasahi.comを見る限りは国内が100万強、海外が60万台で160万台程度、という感じですが、一方で以下のような記事もありますしね。

PlayStation PortablePSP)も高い人気を博している。昨年12月に日本でリリースされ、先月米国でリリースされた同製品は、リリース以来、既に推定300万台が販売されている。
ITmediaニュース:ソニーの久夛良木氏、降格人事は「率直な物言い」が原因?

この記事の記者は「推定」だし、ソニーの発表じゃ「出荷数」だし。なんかいい加減ですねぇ。ともあれ、とりあえずPSPNDSも初期材料は出尽くした感があります。このあと両者がどういう追加の要素を打ち出してくるか、注目ですね。とりあえず、E3までが勝負でしょう。それ以降はみな次世代機に意識が行ってしまうでしょうから。