ゲーム屋店員の戯言:PSPゲーム アドベンチャープレイヤーはヒットするか?

PSPでようやく斬新なソフトが出てきました。いわゆる、ツクール系。ただ、ちがうのは、このソフト自体で作成する機能はなく、あくまでプレーヤーということでしょうか。PC用にアドベンチャーゲーム作成用ツールを無料配布するなんてところも、気合いが入っていていいですね。自分も昔ADVを自作したことがありましたが、思いの外メッセージやキャラの表示などに手間取った記憶があります。細々としたところをスクリプトで書くのって結構つかれるんですよね。フラグの管理とかも結構面倒ですし。

さて、そんなおもしろそうなADVPなのですが、正直、プラットホーム的なソフトなだけに、これで本当にお金が取れるのかどうか疑問ではあります。ただでプレーヤーを配る、もしくはPSPのファームで実現するなどしたなら別だと思うのですが、つねにこのアドベンチャープレイヤーのUMDが無いとゲームがプレイできないのでは、かなり魅力が落ちるように思います。あくまで、以下にユーザの作成意欲を煽り、優秀な作品を提供してもらえるか、が鍵となるでしょう。
ただ、アドベンチャーゲームということで、ユーザー作品を期待できるジャンルがあります。それは、ギャルゲー、エロゲー。これまで、AirやKanonなど、名作ギャルゲーはいろいろな携帯ゲーム機に（不法に）移植されていました。PSPでは解像度も高いだけに、より完成度の高い移植が期待できます。すでにエロゲメーカーからPSP用のデモ動画とか公開されていましたし、そのうちPSP用体験版も出てきたりするかも。PSPは比較的購入年齢が高く、オタク度も高そうなだけに、結構これらの無断移植は期待できそうです。海外では既に「ポルノステーションポータブル」なんて言葉も生まれているくらいなので、結構こっち方面の需要が高いかも知れません。

しかし、先に述べた移植の話も、以下のような話が出されており、そうはうまくいかないかもしれません。

　ADVPスタジオの気になる点として、自ら画像を取り込み製作できる構造上、著作権や肖像権などに抵触する可能性がある。一応、ADVPスタジオを導入する際、誓約書を交わすことになるのだが、根本的な問題解決にはならないと予想される。悪質な著作権無視や肖像権を侵害するゲームデータなどについてはメーカー側が発見次第削除、取締りをするとのこと。このグレーゾーンの整備をどうするのかは今後の課題であろう。
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まあ、不正行為がとがめられるのは当然なんですが、ある意味、そこにしか生きる道が無いと思うんですけどねぇ、このADVP。一応、琥珀色の遺言などのコンテンツが今後配信される、という事ですが、所詮コンテンツは無料な訳ですから、ゲームメーカーの利益にはならず、多くのコンテンツは望めないでしょう。
一方で、期待のネットの世界のフリーゲームですが、こちらの世界もかなりニッチな世界です。一部成年ソフトなどでは半期毎に大量に発売されますが、それ以外の純粋なゲームとしては、潤沢なソフトは期待できません。まあ、その成年ソフトは、先のポルノステーションポータブルの話もあることですし、意外といろいろ出てくるかも知れませんけどね。

しかし、どちらにしても、お金を出してADVPを買うことが絶対条件であることが、最大にして致命的欠点のように思いますね…。消費者はフリーゲームをやるためだけにプレーヤにお金を払うのは抵抗があるでしょうし、ゲーム制作者の方も、できる限り多くの人に自分のソフトをプレイしてもらいたいと考えるだけに、有料のプレーヤに向けてゲームを作るか、というとちょっと意欲が萎えてしまうような気がします。
せめてプレーヤーだけは無料でUMDを配布すれば話はまだ変わってくるのではないでしょうか。おまけシナリオとかパッケージとかもなくして、体験版みたいな形で。ユーザーに対して創作できるツールは無料提供しているのだから、もう一歩踏み込んだ戦略をとって頂きたいものです。
ADVPは、携帯機器の可能性を広げさせる斬新なソフトであり、非常に好感が持てるソフトなのですが、現状では、まだ詰めが甘い印象を受けます。最初はある程度利益は度外視して、PSPの魅力を高める、という意味でがんばって欲しいものです。