PSPの無償修理に関する誤解

昨日のPSPの無償修理対応について、いろいろと誤解が生じているようです。すでに、発熱地帯さんが取り上げられていますが、自分も昨日、はてなPSPというキーワードのリンク先を巡回していて、それを感じていました。
特に誤解が多いのは「仕様と不具合の違い」と「0.6%」についてです。

まずは「仕様と不具合の違い」について。どうも、他の人の発言を見ていると、『□ボタンの不具合を仕様だと言っていたのに、結局無償修理した』という内容の発言が非常に目につきます。だいたいのコメントは「いまさら」とか「遅いよ」、「首尾一貫してねぇ」といった嘲笑が付加されているのですけど、これには大きな誤解が。
昨日のコメントでも書きましたが、「不具合」なのはあくまで「金型不良によって生じたバリに□ボタンが引っかかること」です。「□ボタンが半分液晶にかかっていて押し心地が悪い&たまに反応しない」という不具合事象は「仕様」と言い張ったままなのです。ですので、今回の対応は只単にバリに関する不良を修理対応するだけで、□ボタンがそもそも変なのは全く改善されていません。つまり、「いまさら」というつっこみ以前の問題で『まだ全然事態は変わっていない』訳です。
よく読めば分かるのですが、一見するとすべての不具合が解消されたかのように見えるのは問題のように思います。「直った」と思って買うユーザは多いでしょうけど、その分「直ってないじゃん、だまされた」となるユーザも出てしまうことになるわけなので。(直っている、と思っていた方が、知らぬが仏なのかもしれませんが。)

もう一つの誤解。「0.6%」について。これも、多くの方が「実際に不良だったのはたった0.6%」という解釈をしています。しかし、これも大きな誤解。単に『修理依頼』してきた率が0.6%なのです。つまり、『自発的に問い合わせをしてきた数』であって、『実際に不具合が生じている数』ではありません。正直、ユーザなど面倒ぐさがりなので、少々の不具合だと「面倒くさい」と言って我慢してしまうことが多いです。そういう自分も、ニンテンドーDSに依然として一つドットかけがありますが、面倒なので放置していますし。つまり、この「0.6%」というのは、はっきり言って何の意味も持たない数字なのです。単に、「不具合はあまりない」と主張したいがための数字な訳です。

以上のように、ソニーの発表はうまいことユーザのミスリードを誘っています。実際、多くの人が誤解しているので、商売としてはうまいやり方なのかも知れません。でも、僕は一消費者として、こうした対応に不誠実さを感じざるを得ません。