ハウルの動く城 解釈

早速、ネットで感想を調べていたら、便利なサイトが。
ハウルの動く城 FAQ集
自分が、感想で述べたところが、FAQ形式で分かりやすくまとめてある。これを見て、たしかにこの映画は「不親切」な映画な感じは否めない。疑問点が残りすぎ、というか、作中の説明が少ないのは確かだ。自分は結構見ながら割り切って見ていたし、ここに書かれていた内容はだいたいはその場で解釈できたからよかったけど、深く考え込まず見ている観客には、ひどくわかりづらいのかもしれない。
以下、ここのFAQに対する、自分の印象、考えについて。
FAQを見て改めて分かったのは、Q.2、Q.4か。自分はあの流れ星は、何らかの精霊のようなものだと思っていたが、落ちて消えていってしまう流れ星をファンタジー的に表したものだったのか。あと、原作の話も書かれていて、実はソフィーに命を吹き込む魔力があったということも判明。たしかに、そっちの方が最後のシーンはしっくりくる。Q.6の城が壊れた件も、見ていてちょっと疑問に思ったが、これはちゃんとその場で理解できた。Q.5は「あらかじめ説明されていた」という説明でOKなのか、うーむ。原作もそうなのだから仕方ない。
Q.7のソフィーの外観は諸説あるようで。実際には姿が変わっていなくて、アニメ的にそうしただけ、と言う説は深みがあっておもしろいかも。個人的には前者の内面を反映する呪い、という設定を押したいが。あと、単にロリコン宮崎駿が、おばあさんじゃなくて若い女の子を描きたかった、という説もあり(ぉ。Q.9 で魔法が解けたかどうかが描かれているが、自分は「呪いはとけたが、髪の色はもどらなかった」という印象かな?
Q.12,13の、カブの呪いと戦争終結については、だいぶ苦しいものが。たしかに、劇中に説明がほとんどない分、推測する量が多くなってしまうのだろう。ここのAでは結構論理的に説明してあるけど、正直、これはたんなる宮崎駿のご都合主義のような気がしないでもない。Q.17の、犬のヒンが王様の姿の変えたもの、という説はおもしろいかも、と思った。
Q.EX1.で、作品が不評な訳が描かれていますが、個人には声優はそれほど問題でないかと。上記感想で描いたように、ナウシカっぽくてよい。最近のアニメファンは、萌える声優に慣れていて違和感を感じたのかもしれないけど。心に残るものがない、という指摘は、まあそういってしまえばそうかも知れない。でも、個人的にはもののけ姫千と千尋にもなかったぞ?そもそも、宮崎アニメの根幹は「娯楽アニメ」であって、劇中の盛り上がり、描写を見て楽しめればいい、というものだと思う。見終わってから、そこに秘められたテーマをしみじみと味わう、というのはちょっと違うかと。もののけ姫とかがそうやって評価されてしまっていたが、個人的にはそれは深読みしすぎなんじゃないかと思っていた。
Q.EX.2で、海外の評判や宮崎駿、原作の作者のインタビューが出ている。特に、柿には宮崎駿のインタビューが出ている。
くろねこ亭ーハウルの動く城のページ
ここで、宮崎駿のこんなコメントが。

教育的なイデオロギーやメッセージを意図的に観客に伝えようとはしていません。そんなものが僕の作品の中に本当に存在しているとしたら、自然に出てきているにすぎません。僕がなにかとても深い真実を語っていると多くの人が思っていますが、実際には僕が好きなのはシンプルさなんです。

まさに、そうなのだと思います。もののけ姫とかでは、ちょっと意識していた感がありますが、根本的にはこの人は娯楽性>メッセージの人だと思います。
あと、ハウルについての解説でも「60歳の少女のための映画なんです」とあるが、つまりそう言うことなのだろう。限られた時間の中で、目一杯ヒロインのソフィーを描きたかったと。説明不足なのは、時間を節約するだけでなく、あえて話の筋を戦争とか魔法にそらさせない、意図をもったものなのかも知れません。