SCEJ、PSPを12月12日に発売。価格は20,790円。ヘッドホンなどを同梱した「バリュー・パック」も用意

一時は延期もささやかれていたPSPですが、とうとう発売日、値段が発表されました。その内容について自分なりに考察していきたいと思います。

  • 値段

まず、ここが一番ネックであり、苦心したところでしょう。id:wapa:20041014で、「2万以下にしてこないと勝負にならない」と予想していましたが、実際にその予想通りになりました。
ただ、その価格の付け方にはかなりの苦心のあとが見受けられます。
・最小構成とバリューパックの構成
 先日iPodがやってきたのと同じパターンですね。価格競争に勝つために、とりあえず一番安い設定はオプションを削りまくるという。ユーザにとっては、うれしい対処ですが、ソニーとしてはうまみのない戦略です。通常だったら、バリューパックオンリーで抱き合わせ販売の形で利益率を少しは稼げるのに、最小構成はほとんどそういった余分なものがありません。ニンテンドーDSが15000円で無ければ、絶対こうした構成では売らなかったことでしょう。
しかし、メモリースティックDuoはセーブするために必ず必要ですからねぇ。海外製の安いメディアが使えればいいのだけど、公式のメディアしか使えないならば、追加3000円の出費は絶対かかるわけで。最小構成でメモリースティックをのぞいて来たのだから、おそらくどんなメディアでも使えそうだけど、MagicGate対応でないとSonicStage関連は聞けなかったりするのだろうな。基本的にSonyで周りを固めている人以外はSDカードだし、追加出費が必要な人が多いと思われます。
あと、バリューパックというネーミングもどうかと。こっちの方が安い印象すら受けます。なんとなく、最小構成のほうの生産量を絞り込んで品切れ続出、基本はバリューパックばかり売る、という光景が目に浮かびます。
・公式ページでの税抜き表示
「19800円!」と言いたいのでしょうが、税込み価格が強制されるようになった昨今、この戦略は正直マナー違反だと思います。税抜き価格を税込み価格より目立って書いてはいけない、という指針が出ているというのに、天下のソニーがそれを守れないなんて…。実際、PlayStation.jp | プレスリリース以外の記事は、どれも税込み価格を基準にして報じています。いまさら税抜き価格でがんばっても、時代錯誤ということですね。消費税分の1000円をけずれないほど、ぎりぎりの価格設定であったことが見て取れます。

  • バッテリー時間

最大輝度で4時間、最低輝度で6時間。まあ、がんばったと言えるのではないでしょうか。旅行の往復で持つか持たないか、という感じ。まあできれば予備バッテリー買ってくれということなのかな。前回リリース時にくらべて本体の重量が270gから280gとおもくなっていますが、これは間違いなくバッテリー容量を増加したためでしょう。バッテリーは基本的に大きさ、重さに比例してしまうので。

  • 発売日

12月12日。ニンテンドーDSが12/2で、12/3を防がれてしまったので、なんとか1,2という数字にこだわりたくてこうなったのでしょう。年内と言うことでいちおうこの点は嘘つきにならずにすみましたね。(もっとも、直前になって延期とかがないとは言えませんが。)

  • 年内発売ソフト

21タイトル、ということで、かなりがんばってますね…ソフト会社がw。今頃地獄のような状態なんでしょう。サードパーティにこんなに強制しちゃって、ソニー嫌われないのかなぁ。

  • UMD動画タイトル

バンダイガンダムを用意してきました。とりあえず、ものがない、という状態は回避です。でも、やっぱり買ってまで小さい液晶でみるかなぁ。TSUTAYAでレンタルが出回ればありかもしれないけど。

以上、考察してきましたが、全体的な感想としては「捨て身で勝負してきた」という印象です。ソニーも痛手を負うでしょうが、最近の流れでは発売前から勝負が決していた雰囲気だったのを、五分の戦いに持ち込んだというところでしょうか。このあとの広告戦略などで、まだ事態が大きく変わる可能性があります。とりあえず、ニンテンドーDSニンテンドーワールドでの影響がどうでるかですね。これに対抗する策としてPSPはおそらくCMなどのイメージ戦略を持ってくると思いますが、さてどうなりますか。